もっと詳しく知りたい人へ:行列とは?
まずは「行列」について。m行n列個の実数を長方形の形に配置して[]でくくったもので、連立方程式や線形写像を解析するのに非常に役に立つものです。

行列は、足し算、引き算、掛け算などできますが、計算方法は、線形代数の本を参照ください。
行列の中でも、特に行と列の数が同じ物を正方行列といいます。正方行列の対角線上にある成分を対角成分と言います。

さらに、相関係数行列のように、対角成分を挟んで上側と下側が同じ成分がくる行列を特に対称行列と言います。

もっと詳しく知りたい人へ:固有値とベクトルとは?
次のような行列Aとベクトルv1を考えます。

もとのベクトルv1とは異なるベクトルv2に変換されました。一般に、ベクトルv1に行列Aをかけると、Aは作用素として働き、方向も大きさも異なる別のベクトルv2に変換します。これをベクトルの線形写像または1次写像といいます。

それでは、次のように別のvを考え、これに行列Aをかけてみましょう。


このように行列Aをかけても方向が変わらないベクトルのことを固有ベクトルといいます。
(式1)の例では、固有値λ=5で、対応する固有ベクトルがvなのです。一般に、vに行列AをかけたAvの方向がたまたまvと一致するような特別なベクトル、それが固有ベクトルです。
n次の正方行列Aに対して、
Av=λv
を満たす実数λと列ベクトルv(v≠0)が存在するとき、λをAの固有値、vを固有値λに対応する固有ベクトルといいます。
固有値・固有ベクトルについてもう少しく詳しく知りたい方は、苅田正雄他『よくわかる行列・ベクトルの基本と仕組み』を参照ください。