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ビッグデータ活用の現場から

統計分析をフル活用し、年間数千万以上の広告宣伝費削減に成功─ リクルート式ビッグデータのビジネス活用最前線

 この連載ではビックデータのビジネス活用を目指し日々格闘している、リクルートグループ各社のIT・ネットマーケティング基盤を担うリクルートテクノロジーズのデータサイエンスチームメンバーが、分析者の観点からビックデータ活用における課題、苦労話や最新事例を紹介します。今回は、統計分析を活用し年間数千万以上の広告宣伝費削減に成功したプロジェクトの舞台裏を紹介します。

未来予測は可能なのか?

 いきなりですが、人は未来を知りたがる生物です。

 これは、ビジネスの世界に留まりません。自分の未来がどうなるのか、地球の未来がどうなるのかなど、大袈裟かもしれませんが、未来を知りたいという気持ちは人間の根源的な欲求の一つであると思います。

 これが利害を含むビジネス活動ともなると、その欲求は一層高まります。ライバルより一秒でも早く、少しでも正確に未来を知り、それを戦略・施策に活かして優位な立場を獲得し成果をあげたい──。ビジネス上では当然の思考です。

 今まで多くの人が未来を知ろうと挑んできました。その方法は「予言」「予知」「予想」「予測」など、「予」が付くたくさんの語彙の存在が示すように様々な方法が考えられてきました。

将来を「予測」するとはどういうことか?

 未来を知ることについて「予」が付く言葉をいくつか挙げましたが、我々が挑もうとしているのは「予測」です。この言葉の意味は「未来に起こる結果を、事前に、科学的に推し量ること」です。「科学的に」というのが他の言葉と明確に異なる部分です。

 「科学的に予測する」とはどういうことなのか。これは「データを分析し、その結果をもとに、可能な限り客観的に、将来を推し量ること」と言えます。

 この「データを分析」と「客観的に」というのが「予測」に不可欠な要素です。例えば、担当マーケターが自身の肌感覚だけで将来の売上を見積もったとき、それは予測ではなくて「予言・予想」にすぎません。データも分析をしていなければ、客観性もありません。

 では、具体的にどうやれば「予測」ができるのでしょうか。マーケティングにおける将来予測には、大別すると2つのアプローチがあります。

1.市場調査による予測

 対象者にアンケートで「その商品を買いますか?」「そのサービスを利用したいですか?」などと直接聞き、将来の予測を行う方法です。たくさんの人に聞き、数値を明確に示すことで客観性を担保します。

2.統計モデルによる予測

 過去の実績データから「統計モデル」を構築し、将来の予測を行うというアプローチです。

 統計モデルを簡単に説明すると、ある現象について過去の実績から導き出された法則性(パターン)を数式化(関数化)したものです。ただし、法則性を完全に解き明かすことはできないので、それを認めて「誤差項」を必ず含めます。また、モデルは客観的に得られた情報(=データ)を使って、客観的な手順(=統計学的に)によって作られるため、客観性が担保されます。

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この記事の著者

株式会社リクルートテクノロジーズ ビッグデータグループ データサイエンスチーム(カブシキカイシャリクルートテクノロジーズ ビッグデータグループ データサイエンスチーム)

ビッグデータグループ
リクルートグループの情報活用を全社的に担っている機能組織。分析者、技術者、ハイブリッド人材がなどの様々な人材が数十人規模で所属。リクルートにあるWeb、クライアント、カスタマー等の様々な情報を使ったイノベーションに日々取り組んでいる。

データサイエンスチーム...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

青柳 憲治(アオヤギケンジ)

株式会社リクルートテクノロジーズ
ITソリューション部ビッグデータグループ データサイエンスチーム

大学卒業後、外資系広告コンサルティング企業にて、広告効果分析をはじめとした、マーケティングに関わるデータ分析業務に携わる。

また業務の傍ら、2009年に筑波大学大学院ビジネス科学研究科(修士課程...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/02/28 14:00 https://markezine.jp/article/detail/17167

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