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「ネットで選ばれる写真」とは何か? ソーシャルが変えるヴィジュアル・トレンドと写真ビジネスの現在
【対談 ゲッティ・島本久美子氏×テレパシー・井口尊仁氏】

簡単に写真データベースを利用できるAPI「Connect」

 「以上の3つのトレンドは、およそ5、6年前から徐々に見られている傾向です」と、島本氏は2007年と2012年のそれぞれのベストセラー写真を提示する。例えば「ビジネスマン」の写真だと、以前はシャツにネクタイを着用して正面を向いたもの。比べて昨年によく販売されたのは、リラックスした雰囲気で服装もカジュアル、そしてカメラのほうを向いていない写真だ。

 「明らかに違いますね。7年前というと、ちょうどソーシャルメディアが爆発する前後ですね」という井口氏の指摘に対して、「おっしゃるとおりです。ソーシャルメディアによる影響が本当に大きいと感じます。ソーシャルメディアによって、写真の使われ方も変わってきています。まず、使用されるコンテンツの量が大幅に増えました。アップするスピードも重視されています」と島本氏は分析する。

 企業が必要とする大量の素材のアップロードや利用に迅速に対応するため、ゲッティ イメージズは「Connect(コネクト)」というAPIをリリースした。まるで自分の手元に膨大な写真データベースがあるかのように、手軽に検索し利用できる仕組みだ(現在、3か月無料で使用できるテストアカウントを発行している)。また、このAPIを用いて、テーマに沿った写真を検索して投稿してもらうクリエイティブコンテスト「Vis-It!」を展開している。

キュレーションはこれから大きなトレンドをつくっていく

 前述の「NAVERまとめ」で、一般ユーザーが簡単にゲッティ イメージズの写真を利用できるのも、このAPIによるものである。今では月間1万枚以上が利用されており、「最初はクリエイティブコンテンツのみでしたが、この2月からは報道写真も利用いただけるようになったので、さらに使用量は増えると見込んでいます」(島本氏)。

 「NAVERとゲッティ イメージズの提携は、インパクトが大きかったですね。キュレーションはこれから大きなトレンドをつくっていくと思います」と井口氏は話す。「私たちはBtoB企業ですが、今回の提携は一般の方への認知拡大になりました。でも、日本はまだまだ上がってくる素材の数も利用量も他国と比べて少ないのが現状です」と語る島本氏。

 「珍しいもの、市場がないと思われるような特殊なヴィジュアルほど需要があります。日本には液体金属の写真しか撮らない方がいるのですが、ある海外の銀行がすごい金額でまとめて購入しました。日本には特殊な技能を持った人もたくさんいると思うので、私たちのサービスを利用していただくことが世界的な活躍の場になるのでは」と、写真を使う側だけでなく、撮る側の人にもメッセージを送った。

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優れたヴィジュアルイメージを商用へ、そして海外へ

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2013/04/25 20:02 https://markezine.jp/article/detail/17316

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