これまでのマーケティングでは通用しない時代
続いて米IBM シニア・バイス・プレジデント マーケティング&コミュニケーションズ担当のジョン・C・イワタが登壇し『The Future Practice of Marketing, Shaping our Belief』と題した講演を行った。
マーケティング&コミュニケーションズ担当 ジョン・C・イワタ氏

冒頭、イワタ氏はこれまでのマーケティング部門の役割は、顧客を知る、何をどうやって市場に出すかを決める、ブランド・プロミスを守るという3つに集約されていたが、モバイルデバイスの普及、ソーシャルネットワークの拡大、顧客層の変化、データ量の急増などといった環境変化により、マーケティング部門の役割が劇的に変化したと強調。これからのマーケティングに求められる要件は次の3つだと語った。
- 個のレベルで顧客を理解する
- すべての顧客接点で価値を最大化する「顧客体験提供の仕組み」を構築する
- 企業文化とブランドを真に一致させる
「これまでは企業側がセグメント分けを行いマーケティングを実行していました。しかし、環境の変化により職業上のデータ、趣味嗜好データ、購買データ、コミュニケーションデータなど、顧客のさまざまなデータを取得できる環境が整いつつあり、個レベルで顧客を理解することが可能な時代となっています。企業はそれらのデータから知見を得て洞察を引き出し、将来予測をはかることが大切です。また、それら膨大なデータを活用し、よりビジネスインパクトへつなげるためには、マーケティング領域へのIT活用が欠かせないでしょう」(イワタ氏)。

さらにイワタ氏は、情報が瞬時に共有される時代となったいま企業は企業文化とブランドに一貫性を持たせメッセージを発信し、顧客との信頼関係を築くことが重要と主張。「企業文化とブランドを一体化させ、顧客との信頼関係を高めることが大切」(イワタ氏)と話し、講演を終えた。