マーケティング部門とIT部門のキーマンが一堂に会す
3月6日、日本IBMは都内でIBM CMO+CIO Leadership Forumを開催した。マーケティング部門とIT部門のキーマンが一堂に会し、今後のマーケティングの潮流について学ぶとともに意見交換を行った。
オープニングスピーチでは日本IBM 代表取締役社長 マーティン・イェッター氏が登壇。冒頭、市場環境の変化とテクノロジーの進化を背景としてマーケティング環境に大きな変革が起こっていると話し、具体的には企業と顧客との関係の変化とITに求められる役割が変化していると指摘した。
「IT・インターネットの発達、ソーシャルメディアの普及などにより企業と顧客との関係が明らかに変化しています。また、ITに求められる役割も変化しつつあります。顧客接点が多様化したことにより、これまでバックオフィスでの活用が主だったITにフロントエンド、つまりマーケティングやCRMといった領域での活用が求められはじめています」(イェッター氏)。
IT・インターネットがさまざまな業種のビジネスへ影響を及ぼす中、イェッター氏は特に成長著しい市場の例としてEコマース市場を挙げた。昨年8月に経済産業省が発表した資料によると、国内のBtoC EC 市場規模は8.5兆円にまで成長。コンビニエンスストアの市場規模と同程度の水準まで達している。
「これまでとはビジネス環境が変わりつつあります。その厳しい環境の中で競争優位性を高める手段の1つがパーソナライズです。テクノロジーを活用することで、よりきめ細かいマーケティングを実践することが可能な時代になっています」。
続いてIBMが実施した1,700名のCMOを対象とした調査を紹介。顧客満足度向上のために必要なこととして、海外、日本双方において個々の顧客ニーズへの理解向上という回答が最も多かったと話した。そして、他社との差別化を進めるためにはテクノロジーの活用が重要という回答が多かったという。また、テクノロジーの活用についてはCEOも共通して重要性を感じているが、日本企業においては3分の1以上がマーケティングとITの融合が進んでいないと感じている結果になったと紹介した。
最後にイェッター氏は「このパラダイムシフトの中でCMOが果たす役割は非常に大きいです。この変革を自分たちのものにできれば、大きな成長の機会を得ることになるでしょう。パートナーやクライアントとともに、私たち自身も学びつつ共に成長していきたい」と語りオープニングスピーチを締めくくった。