楽天ビジネスのポジショニングを示す4つの数字
まず初めに、鈴木氏は日本における楽天ビジネスのポジショニングを示す4つの数字を提示した。
【85】日本のインターネット人口における、楽天ユーザーの占める割合は85%
【81】楽天会員数は81ミリオン(=8,100万人)。約1億2,800万人の日本の人口の6割強を占める
【4】楽天グループ全体の流通総額は4トリリオン(4兆)円
【42】2012年に楽天市場で販売された麺をつなぎ合わせた長さは、地球42周分
そして次に、米国のコマースではめずらしいビジネスモデルである、楽天独自のBtoBtoCモデルについての説明を始めた。特に、日本の楽天ユーザーにはおなじみの、楽天店舗の縦に長い商品説明ページが『Emotional approach(感情に訴えるアプローチ手法)』として紹介されたことは非常に興味深い。
というのは、米国のコマース業界においては最適化手法のスタンダードとして、“above the fold(スクロールしないで見える範囲)”ルールが浸透しているのだ。よって多くのコマースサイトでは“Call to Action(行動喚起)”、すなわち『購入ボタン』はスクロールしないで見える範囲に設置されていることが多い。それに対して、かなりスクロールしなければ購入ボタンが見えてこない楽天の商品ページは、米国のベストプラクティスの真逆をいくことになる。
実際、セッション後半で紹介された分析データに基づく最適化事例として、商品写真中心のシンプルな商品ページを“感情に訴えかける(Emotional)”商品ページに変更したところ、コンバージョン率が1.9%から5.1%に改善されたと発表した。