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モバイル・ソーシャル・オーディエンスデータの切り口から見る米国デジタル広告最新事情

2013/05/16 10:00

 今年のAdobe Summitのブレークアウトセッションは、ターゲットユーザー毎に6タイプに分類され、常時20前後のセッションが進行された。ターゲットユーザーは広告担当(Digital Advertising)・分析担当(Digital Analytics)・エグゼクティブ(Marketing Innovation)・ソーシャル担当(Social Marketing)・制作担当(Targeting & Optimization)・開発担当(Tech Labs)と幅広かった。本稿では、ホットな分野として日本でも注目されている、モバイル広告・ソーシャル広告・DMPの3セッションについてレポートする。(バックナンバーはこちら)

モバイル広告:キーポイントはデバイス毎の顧客エンゲージメント

 『Adobe Media Optimizer: Mobile advertising: Will the return on ad spend meet my expectations?』のセッションでは、媒体社からCars.comのSharon Knitter氏、広告主からWells Fargo銀行のMichael Lacorazza氏、デジタルマーケティング専門家としてLevelwing社のKB Reidenbach氏がパネルに登壇した。

 米国における2013年のモバイル広告市場規模は40億ドル(約3,920億円)で、デジタル広告全体の4%程度しかない。「モバイルの予算配分のパイを広げるためにはどうするべきか?」という問いに対し、パネラーは現在は広告予算を増やすというよりも、カスタマー・エクスペリエンスを向上するために、PC・タブレット・スマートフォンの異なるデバイスをどう使い分けるべきか検証している段階であるという意見でほぼ同調された。

 その中でも、広告主の立場として様々な取り組みを行っているWells Fargo銀行の事例はなかなか興味深い。例えば、GoogleのCall-to-actionというAdwords広告に電話番号を表示し、コールセンターへの誘導を図る広告機能についてだ。新規顧客開拓には貢献しないが、カスタマー・エクスペリエンスの一環として、顧客の問題解決に役立っていると評価している。

 またWells Fargo銀行は米国全土に展開してはいるが、支店数が限られているため地理的なハンデがある。そこで、位置情報を活用したモバイル広告に注目し、支店に近いユーザーにターゲットを絞り込んだ口座開設キャンペーンを展開した。その結果、支店から会社、または自宅が近いユーザーに対し、非常に効果の高い結果がでたという。

 加えて、日本でも話題となっている、Googleのエンハンストキャンペーンについても議論された。日本では、代理店各社にGoogleから手厚いサポートが提供されている効果か、各社はかなり前向きに新しいプラットフォームへの移行方法を検討している印象を受けた。一方、米国でSEMを多く手がけるLevelwing社のReidenbach氏はデバイス毎の最適化するメリットが失われると真っ向からGoogleを批判し、「同じような効果を見込めるFacebookの広告にモバイル広告は移行する」という。

 米国のモバイル広告の内訳をみると、検索広告が50%と大半を占め、ディスプレイ広告とリッチメディア広告が38%、動画広告が7%と続く。このモバイルディスプレイ広告のシェアトップに躍り出たのがFacebookだ。2012年のFacebook広告の売上は3.39億ドル(約332億円)で、市場の18.9%を占める。Wells Fargo銀行のLacorazza氏は、「Facebookのモバイル広告は“ソーシャル施策の効果を増幅させている”とし、ウォールに表示させる『ネイティブ広告』のスタイルが、ユーザーとのエンゲージメント効果も高い」という。

 モバイル広告に関しては米国においても、まだまだ実験段階ではあるが、デバイス毎の顧客エンゲージメントの最適化を検証するために、モバイル独自の機能を考慮しつつ、広告主・媒体社・デジタルマーケティング専門会社それぞれが積極的な取り組みを行っていると言えるだろう。

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