差別化コピー、喜ぶのはライバル会社だけ?
今回のちょっと残念なコピーのテーマは「商品を殺しかねない差別化コピー」。セミナー受講者の方から、<自社の商品は市場の中で際立った差別化ができない。そういう場合はどういう訴求をすればいいのか?>という質問を受けることがある。
商品にはライフサイクルがあって、<導入期><成長期><成熟期><衰退期>と4段階に分けられる。各段階によって表現のアプローチを変える必要があるが、正直な話、<衰退期>の末期では大幅ディスカウント訴求でも苦しい。
先の質問もそうだが、一番悩むのが<成熟期>での訴求だ。今世の中にある商品のほとんどは成熟期ではないだろうか。つまり競争が激しく、どのブランドも機能面でも価格面でも似たり寄ったりで差別化しにくい。
だから、セールスポイントが同じようなものになる。それでは違いが分からず、目立たないと思い込んでしまう。そこで少しでも違いを出そうと差別化を図ろうとする。あるいは差別化のもとになるUSP(ユニーク・セールス・プロポジション=独自の強み)を見出そうとする。
うん、正しい戦い方だ。差別化をコピーで訴求しようという話になる。それも正しい。そして差別化ポイント探しをする。なかなか決定的なポイントが見つからない。ま、仕方がない。どのブランドもそんなものなのだ。だからもっとよく探して驚かせてやろうじゃないか! そうしてワナに飛び込んでいく……。
オグルヴィは「差別化しろ」なんて言ってない
おやおや、そっちは危ない。ここでアドバイスを訊こう。広告、そしてコピーライティングのレジェンドであるディヴィッド・オグルヴィ(『ある広告人の告白』『「売る」広告』/海と月社)はどう言っている?
たいていのコピーライターは、扱っているブランドが他のいくつかとそっくりだという都合の悪い事実に直面すると、すべてのブランドに共通することを消費者に伝えても意味がないと思い、いくつかのささやかな違いを述べるだけにとどめてしまう。
さらにはこうも言う。
広告主たちは、競争会社の製品より優れていることを消費者に納得させねばならないと考えてきた。(中略)自社の製品を、確かに良い品だと納得させれば、それで十分なのである。
極めつけはこうだ。
自社製品が“確かに良い品だ”という信頼を消費者間に植えつけるのに最善を尽くすマーケッターに軍配が上がるだろう。
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