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「AdGang」が選んだ今週の一押しキャンペーン

被虐待児童に救いの手を差し伸べる、“子供にしかメッセージが見えない”看板広告

 海外の広告・宣伝・プロモーション事例情報を提供している「AdGang」からの厳選記事を紹介するこの連載。子どもを守るべき存在である大人たちが暴力をふるう。この恐ろしい現実に立ち向かうため「子どもの目線で考えること」の大切さをダイレクトに表現したスペインの広告を紹介します。毎週水曜日更新。

キャンペーン概要
  • 時期:2013年
  • 国名:スペイン
  • ブランド:Fundacion ANAR
  • 業種:慈善団体

傷ついた子どもたちだけにメッセージを送る、特別な広告

 スペインで活動する児童支援団体「Fundacion ANAR」による、虐待されている子供に救いの手を差し伸べるアウトドアプロモーション。

 児童虐待の早期発見・早期解決には、周囲の人からの「SOS」が最も効果的だと言われますが、被害者である児童自身が周囲に“声を発する”ことも、(ハードルが高いとはいえ)同様に有効です。しかし、虐待をしている大人と一緒にいる時に被害者の子供が特に“声をあげづらい”のもまた事実。

 今回の施策は加害者である大人と一緒の時にも、子供から「SOS」を引き出しやすくするためのアプローチです。プロモーションコンセプトは「Only for Children」。同団体は、大人と子供のそれぞれの視点で“別のもの”が表示される特殊な看板広告を街中に設置しました。

 大人の視線から見た看板は、男の子が真っ直ぐ前を見据えている様子が写っているだけという代物。

 一方、10歳以下の子供の視線から見た看板には、男の子の顔に殴られたような虐待の痕跡がうかびあがり、「もし君も誰かに傷つけられているなら、私たちが助けになるので、116 111まで電話してください」というメッセージが表示されました。

 “大人と子供の視線角度の違い”により、表示するコンテンツを変えるという表現手法。

 この看板で実際にどの程度の子供たちが「SOSの電話」をしたか定かではありませんが、“加害者の大人といる時に被害者の子供はSOSしづらい”という虐待されている子供にとって切実な課題を解消するために、ユニークなアイディアをもって果敢にチャレンジした姿勢は素敵だと思いました。

動画はコチラ

参考サイト

先週の紹介キャンペーン

 記事転載元:AdGang

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山田 健介(株式会社PR TIMES)(ヤマダケンスケ (PR TIMES))

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2013/05/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17715

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