コメント投稿数が5倍、シェア数も3倍に増えたギズモ-ド
ギズモードはgigyaを導入し、記事への感想を投稿するコメントボックスをソーシャルメディアと連携。Facebook/Twitter/Google+のアカウントでログインしてコメント投稿できるようにした。
するとコメント数は導入前の5倍に伸びた。「それぞれのソーシャルメディアで見せている人格を活かしつつ、コメントを残せるようになったことが奏功したのではないか」とgigyaを国内で販売する株式会社トーチライトの担当者は分析している。
また、さまざまなソーシャルメディアへ記事をシェアしてもらうためのボタンもgigyaのものを採用。各メディアのAPIに対応する手間が一元化され、シェアされる数も3倍に増えた。
主催イベントへの招待券をプレゼント。ゲーミフィケーションを導入したJ-WAVE
FMラジオ局「J-WAVE」も、4月からgigyaを使って自社サイトにゲーミフィケーションの機能を取り入れた会員サイト「J-me」を開設している。
会員はFacebookやTwitter、mixiなどのソーシャルメディアのアカウントを使ってサイトにログイン。ログインしたり情報をシェアしたりするとポイントが増え、一定条件を満たすとバッジがもらえる。そして、集めたポイントが多い会員には、J-WAVEが主催するイベントの招待券がプレゼントされる。それが何よりのインセンティブになり、リニューアル後のサイト利用が活性化されているようだ。

「会員登録するときに、詳しいプロフィールを入力させるのはユーザーに嫌がられます。ですが、ソーシャルメディアのアカウントで会員登録/ログインしてもらえれば、ユーザーの許諾を取った上で、ソーシャルメディアに登録している写真などのプロフィール情報を取得できます。
自社サイトではなかなか集められない情報を既に持っているソーシャルメディアというプラットフォームがあるわけです。そこにある情報を活用して、オウンドメディアでの施策に生かしていこうというのがアメリカを中心に広まっている最新のトレンドなんです」
“オウンドメディアのソーシャル化”、日本企業がまだ気付いていない利点
日本企業でも自社サイトのフロントを改修し、ソーシャルメディアとの連携ボタンなどを加えているところは増えてきている。しかし、ソーシャルメディアに登録されているプロフィールなどのユーザー情報をバックエンドで取り込んだ上で、J-WAVEのように1to1の機能/マーケティングに役立てようとする企業は、日本にはまだそれほど多くないとリームズ氏は指摘する。
「Facebookのデータを活用すれば、例えばあるユーザーが『趣味はマラソン/ランニング』、『スタンフォード大学出身』、『50cent(ミュージシャン)が好き』といった情報を入手できます。そして次に、『50centの楽曲』や『スタンフォードのランニングシャツ』といった商品をこのユーザーにレコメンドすれば、かなりの確率で買ってもらえるはずです。
「マラソン/ランニング」、「スタンフォード出身」、「50cent(ミュージシャン)が好き」というソーシャル上のプロフィールを持つユーザーに、【50centの楽曲】や、【スタンフォードのランニングシャツ】をレコメンドしている

これは実際にナイキが実施しているメールマーケティングの事例。このように“オウンドメディアのソーシャル化”には、フロント側だけでなく、バックエンド側にも利点があります。日本のマーケターにはまだあまり知られていないだけに、この利点をもっと伝えていきたいと考えています」