SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

日本より2年早いFacebook先進国アメリカ
マーケ予算投下先の焦点は、もはやFacebookではなく“オウンドメディア”


コメント投稿数が5倍、シェア数も3倍に増えたギズモ-ド

 ギズモードはgigyaを導入し、記事への感想を投稿するコメントボックスをソーシャルメディアと連携。Facebook/Twitter/Google+のアカウントでログインしてコメント投稿できるようにした。

 するとコメント数は導入前の5倍に伸びた。「それぞれのソーシャルメディアで見せている人格を活かしつつ、コメントを残せるようになったことが奏功したのではないか」とgigyaを国内で販売する株式会社トーチライトの担当者は分析している。

 また、さまざまなソーシャルメディアへ記事をシェアしてもらうためのボタンもgigyaのものを採用。各メディアのAPIに対応する手間が一元化され、シェアされる数も3倍に増えた。

主催イベントへの招待券をプレゼント。ゲーミフィケーションを導入したJ-WAVE

 FMラジオ局「J-WAVE」も、4月からgigyaを使って自社サイトにゲーミフィケーションの機能を取り入れた会員サイト「J-me」を開設している。

 会員はFacebookやTwitter、mixiなどのソーシャルメディアのアカウントを使ってサイトにログイン。ログインしたり情報をシェアしたりするとポイントが増え、一定条件を満たすとバッジがもらえる。そして、集めたポイントが多い会員には、J-WAVEが主催するイベントの招待券がプレゼントされる。それが何よりのインセンティブになり、リニューアル後のサイト利用が活性化されているようだ。

「J-me」はソーシャルアカウントでのログインが可能
ソーシャルアカウントでのログインが可能

 「会員登録するときに、詳しいプロフィールを入力させるのはユーザーに嫌がられます。ですが、ソーシャルメディアのアカウントで会員登録/ログインしてもらえれば、ユーザーの許諾を取った上で、ソーシャルメディアに登録している写真などのプロフィール情報を取得できます。

 自社サイトではなかなか集められない情報を既に持っているソーシャルメディアというプラットフォームがあるわけです。そこにある情報を活用して、オウンドメディアでの施策に生かしていこうというのがアメリカを中心に広まっている最新のトレンドなんです」

“オウンドメディアのソーシャル化”、日本企業がまだ気付いていない利点

 日本企業でも自社サイトのフロントを改修し、ソーシャルメディアとの連携ボタンなどを加えているところは増えてきている。しかし、ソーシャルメディアに登録されているプロフィールなどのユーザー情報をバックエンドで取り込んだ上で、J-WAVEのように1to1の機能/マーケティングに役立てようとする企業は、日本にはまだそれほど多くないとリームズ氏は指摘する。

 「Facebookのデータを活用すれば、例えばあるユーザーが『趣味はマラソン/ランニング』、『スタンフォード大学出身』、『50cent(ミュージシャン)が好き』といった情報を入手できます。そして次に、『50centの楽曲』や『スタンフォードのランニングシャツ』といった商品をこのユーザーにレコメンドすれば、かなりの確率で買ってもらえるはずです。

ナイキのメールマーケティングへの応用事例。
「マラソン/ランニング」、「スタンフォード出身」、「50cent(ミュージシャン)が好き」というソーシャル上のプロフィールを持つユーザーに、【50centの楽曲】や、【スタンフォードのランニングシャツ】をレコメンドしている
「マラソン/ランニング」、「スタンフォード出身」、「50cent(ミュージシャン)が好き」というソーシャル上のプロフィールを持つユーザーに、【50centの楽曲】や、【スタンフォードのランニングシャツ】をレコメンドしている例

 これは実際にナイキが実施しているメールマーケティングの事例。このように“オウンドメディアのソーシャル化”には、フロント側だけでなく、バックエンド側にも利点があります。日本のマーケターにはまだあまり知られていないだけに、この利点をもっと伝えていきたいと考えています」

次のページ
米企業はバックエンド側のユーザー情報管理に魅力を感じる

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2013/06/06 18:06 https://markezine.jp/article/detail/17726

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング