Facebookよりも重視されつつあるマーケティング予算の投資先は?
2012年、年初に約627万人だった日本のFacebookユーザー数は、年末には約1720万人へと増えた(socialbakers調べ)。Facebookの普及を受けて、ここ1~2年、「Facebookをマーケティングにどう活かすか」というテーマに向き合い、Facebookページ/広告を試してみたマーケターも多いことだろう。
ところで、FacebookがGoogleやYahoo!を抜き、サイト滞在時間で1位になったのは2010年8月のこと(参考記事:CHART OF THE DAY: Facebook Passes Google In Time Spent On Site For First Time Ever,BUSINESS INSIDER)。日本より2年ほど早くFacebookの影響力を無視できなくなったアメリカでは、Facebookをマーケティングに取り入れる動きが一足先に広まっている。
そして現在、アメリカの企業がWebマーケティングを展開するに当たり、Facebookなどのソーシャルメディア以上に重視するようになってきたメディアがある。オウンドメディア、つまり自社サイトだ。
「これまではFacebookやTwitterにマーケティング予算を投じてきました。それがここ1~2年、“オウンドメディアのソーシャル化”に予算を投下する企業が増えています。実際、調査会社のGartnerは企業のIT投資について、2017年にはCIO(最高情報責任者)よりもCMO(最高マーケティング責任者)の方が予算を持つようになるだろうと予測しています」
このように語るのは、企業サイトのソーシャルメディア連携を支援するプラットフォーム「gigya」を提供するgigya Inc.でビジネス開発部門シニアマネジャーを務めるエイミー・リームズ氏だ。
オウンドメディアのソーシャル化に取り組みはじめた日本企業
“オウンドメディアのソーシャル化”が進んでいるのは、Webメディアを運営する企業や、コカ・コーラやアメリカン・エキスプレス、クライスラーなどのブランド企業、ナイキやデルなどのECサイトを自社で運営している企業だ。
「ソーシャルメディアで広告を買ってファンを集めていたのが今までのマーケティング。最近はファンを集めるだけでなく、自社サイトに来訪させて滞在時間を増やし、サイトをもっと使ってもらうため、自社サイトのテクノロジーに投資していこうという考えが広まってきています」(リームズ氏。以下、同)
日本でもWebメディアを運営する企業を中心に、gigyaを導入して“オウンドメディアのソーシャル化”に取り組む企業が現れてきている。毎日新聞社の「毎日jp」や日経BP社の「Tech-On!」、メディアジーンの「ギズモード・ジャパン」などだ。