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【横山x菅原対談】「DMPは、広告だけでなく、マーケティングコミュニケーションの構造を根幹から変える」

広告へのDMP活用例:リターゲティングとの違い

―MarkeZine読者の方も興味がある、広告へのDMP活用について教えていただけますでしょうか。

デジタルインテリジェンスの素敵なオフィスで、取材をさせていただきました。

菅原:では、リターゲティングとDMPの活用の違いについて、ある旅行サイトを例にとって考えてみましょう。例えば「アメリカ」「ヨーロッパ」「格安」といったキーワードで、お客さんがサイト内のリンクやボタンを押したとしましょう。

 リターゲティングの仕組みを使うと、ユーザーは「アメリカ」「ヨーロッパ」「格安」という3つのリターゲティングに属してしまいます。そこでは「アメリカ」「ヨーロッパ」「格安」の3つのキーワードのうち、そのユーザーにとってどれが最も優先順位が高いのかは、リターゲティングではわかりません。

 一方でDMPでは、「アメリカ」「ヨーロッパ」「格安」のキーワードで、ユーザーが何を一番重視しているのかといったことを判断して、コミュニケーションを変えていくことができます。

 つまり、マーケターはDMPのデータを判断材料として、どんなメッセージをユーザーに伝えればいいのかを決めることができるのです。そこにマーケターの意思が存在し、その判断や意思こそが重要になってきます。「どんなメッセージが、そのユーザーに最も刺さるのか」といったことを判断して、ユーザーとのコミュニケーションに活かしていくことができるのです。

 枠買いのメディアバイイングと異なり、運用型広告はちょっとずつ改善をしていくように、常に判断をくだしていかないといけません。意思を持って決断するという仕事に、マーケターの仕事は変わりつつあるように思います。

横山:DMPを導入したブランド企業は、ユーザーをデータベース化して、そして最も適切なターゲットセグメント、あるいは新しいターゲットセグメントをつくり、それぞれに最適なメッセージを見つけていきます。

 ターゲットセグメントと、それに対になるメッセージ。それは文脈とも言い換えることができます。これをどうやって作っていくかが、マーケターの基礎行動様式になっていくでしょう。

 そして、この作業は、ブランド企業自身にしかできないことです。なぜかというと。これはマーケティング行為そのものだから。これをアウトソースすることはできないし、これが基点となるビジネスモデルが始まっていきます。

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DMPの導入は、広告領域だけの話しではない

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/04 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17738

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