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広告効果測定ツールの誕生からアトリビューションの概念が生まれた背景まで、一連の流れを理解しよう【アトリビューション編:第4回】

 前回の記事では、広告効果をきちんと測定するには、すなわちアトリビューションを行うには、アクセス解析ツールでは不十分なことを指摘しました。今回は、そのアクセス解析ツールの問題を解決するソリューションの一つ「広告効果測定ツール」の登場から、アトリビューションの概念まで、順を追って解説していきます(バックナンバーはこちら)

ダブルカウント問題を解決する広告効果測定ツールの登場

 広告効果測定ツールが広告業界に普及していったのは、2005年頃だったでしょうか。媒体社側のレポートが抱えていたコンバージョンの重複カウント問題、同時にアクセス解析ツールのセッション単位でのコンバージョン測定の課題にも応えていく視点が、広告効果測定ツールにはあります。

 広告効果測定ツールは一般的にクッキーでコンバージョンを計測しています。そのため、セッションという30分単位の時間的な制約は受けません。その一方で、ヤフーやグーグルなどの媒体社から独立した計測をおこなうことができるので、コンバージョンの重複カウント問題、つまりダブルカウント問題を回避することができるのです。

【例えば】
一人のユーザーがヤフーで検索して、リスティング広告から広告主サイトAを訪問。その後、今度はグーグルで検索してリスティング広告経由で同じ広告主サイトAを訪問し、そのまま商品を購入(コンバージョン)した。

 この場合、広告効果測定ツールでは、コンバージョンの直前に経由したグーグルのリスティング広告にコンバージョン1件と計上します。その前のセッションにおいてヤフーで検索して広告主サイトAを訪問したという履歴も残っていますが、ヤフーのリスティング広告にコンバージョン1件と計上することはありません。

 これは、広告効果測定ツールのひとつのクッキーによってヤフーやグーグルなど複数の媒体社経由のコンバージョンを計測しているからです。一方で、媒体社側のレポートでは、ヤフーはヤフーのクッキーで、グーグルはグーグルのクッキーでコンバージョンを計測しているため、重複リーチが発生している場合に、ダブルカウントしてしまうことがあります。

 さらに、セッション単位(30分単位)の制限もこれによってなくなりました。セッションが切れて離脱したあとに、たとえば、ブックマーク経由や自然検索経由で訪問してコンバージョンした場合にも、クッキーの有効期間内であればその直前の広告に対してコンバージョン1件が計上されるようになっています。逆にいえば、広告以外の流入元にはコンバージョンがカウントされないということです。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17773

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