ダブルカウント問題を解決する広告効果測定ツールの登場
広告効果測定ツールが広告業界に普及していったのは、2005年頃だったでしょうか。媒体社側のレポートが抱えていたコンバージョンの重複カウント問題、同時にアクセス解析ツールのセッション単位でのコンバージョン測定の課題にも応えていく視点が、広告効果測定ツールにはあります。
広告効果測定ツールは一般的にクッキーでコンバージョンを計測しています。そのため、セッションという30分単位の時間的な制約は受けません。その一方で、ヤフーやグーグルなどの媒体社から独立した計測をおこなうことができるので、コンバージョンの重複カウント問題、つまりダブルカウント問題を回避することができるのです。
【例えば】
一人のユーザーがヤフーで検索して、リスティング広告から広告主サイトAを訪問。その後、今度はグーグルで検索してリスティング広告経由で同じ広告主サイトAを訪問し、そのまま商品を購入(コンバージョン)した。
この場合、広告効果測定ツールでは、コンバージョンの直前に経由したグーグルのリスティング広告にコンバージョン1件と計上します。その前のセッションにおいてヤフーで検索して広告主サイトAを訪問したという履歴も残っていますが、ヤフーのリスティング広告にコンバージョン1件と計上することはありません。
これは、広告効果測定ツールのひとつのクッキーによってヤフーやグーグルなど複数の媒体社経由のコンバージョンを計測しているからです。一方で、媒体社側のレポートでは、ヤフーはヤフーのクッキーで、グーグルはグーグルのクッキーでコンバージョンを計測しているため、重複リーチが発生している場合に、ダブルカウントしてしまうことがあります。
さらに、セッション単位(30分単位)の制限もこれによってなくなりました。セッションが切れて離脱したあとに、たとえば、ブックマーク経由や自然検索経由で訪問してコンバージョンした場合にも、クッキーの有効期間内であればその直前の広告に対してコンバージョン1件が計上されるようになっています。逆にいえば、広告以外の流入元にはコンバージョンがカウントされないということです。