3つのシナジーを生むことで課題を解決
Verizon Wirelessは全米でも有数の通信キャリアとして、膨大な顧客数を抱えている。彼らは、歴史的に全米を4エリアに分割してほぼ別会社のようなオペレーションを行っていた。
広告出稿だけは一元管理されていたが、CRMシステムは4つに分かれており、顧客情報の統合がまずは大きな課題としてあった。基本的なCRM統合は4年前に完了し、Eメールをはじめとしたプッシュチャネルの全社管理もそこからはじまった。
ただ、伝統的なオフラインチャネルであるダイレクトメール(以下、DM)との兼ね合いは大きな課題として残った。
DMは基本的に全てがキャンペーンベースで実施されていたので、どのように会社としてのメッセージを統一するのか、デジタル側との綱引きがあったが、3つのシナジーを生むことで課題を解決していった。
- データドリブン…デジタルチームが普通に行っていた行動データ分析、パーソナライズの手法をDMにも持ち込む
- スピード…1つのコンテンツ作成に数週間かかっていたDMに、新しいプリンティングテクノロジーを導入して、数日での作成が可能になった
- デジタルto DM…デジタル上で反応しないユーザーを抽出し、DMの重要発送リストに追加したところ、かなり良い結果が出た
今はCRMチームとして1つの組織でカスタマーエクスペリエンスを強化する施策を実施している。メールやDMだけではなく、当然ながらユーザーのランディングページとなるWebサイトも連携させ、全チャネルでパーソナライズされた体験を提供している。そして、最後にパーソナライズを最適化させるためのテスト手法も紹介された。
Verizonでは常に、もっとも大きなセグメントグループを使ってWebサイトやEメールでコンテンツのテストを行う。当然ながら母数が大きいので、ROIが最も高いというのが一番の理由だが、その後にコンテンツを他チャネルで再利用しやすいことも大きな理由だ。テストの内容自体はビッグデータ分析チームと連携をしながら進めているということだ。
