その3:さらに複数の値で比較する
直接施策に結びつく結論が見いだせない場合、なぜ数値が下がっているのかわからないような場合、さらに深掘りする必要があります。以下の図のような流れで、まず大雑把に把握したうえで、複数の数値を比較していきましょう。

この手順を踏めば、どこが増減しているかがより明確になり、改善に結びつく議論ができるでしょう。段階2で確認する数値としては以下のものを挙げることができます。
- 訪問あたりPV
- コンテンツ別のUUとPV
- デバイス別(PC or 携帯 or 携帯アプリ)
- 新規ユーザー or 既存ユーザー
- 会員、非会員
- 非会員にフォーカスする場合、流入元別での比較
PVのデータをざっくりと出したら、上の箇条書きのような切り口で内訳を確認します。それでも原因が特定できない場合は、分解したものをさらに分解していき、原因を特定します。今回の例でいうと、
PV ⇒ 訪問あたりPV ⇒ コンテンツ別の訪問あたりPV
といった具合に、まずはおおざっぱに確認したのち、細かい部分にフォーカスを絞ります。
原因箇所を特定して、さらに深掘りしてみる
先ほどコンテンツ別にPVを分解したところで、「詳細ページ」の訪問あたりPVが減少しているのが気になったので、そこをフォーカスしてみます。詳細ページのPVを以下のように「会員」「非会員」で分解してみました。

詳細画面への会員UUは前半の水準に戻ってきましたが、下のグラフで会員の訪問あたりのPVを見ると、前半では18前後だったものが、15近くに下がってきています。わずか3の違いではありますが、母数が大きいのでPVの伸び悩みの大きな原因となっているようです。このまま下落していくと、いくら誘導してもPVが稼げなくなりますから、会員がもっと多くの詳細画面を見てもらうように改修しなければなりません。非会員もUUは微増か横ばいで、PVも踏みとどまっているように見えましたが、訪問あたりのグラフで見ると下がっていることが明らかです。

この期間にリリースしたものから、何が数値を悪くしているのかを特定し、何とかして下げ止まらせなければなりません。何かリリースしているようなら、リリース一覧からその原因を探ります。この場合、詳細画面へ遷移するモジュールの増減、モジュールの変更などを確認し、平行してそれらの遷移率を追いかけてみるとよいでしょう。
もし、何もリリースしていない場合、再度別の軸から原因を特定しなければなりません。仮に「飽きたのではないか」というまったく違う切り口での仮説を思いついたら、飽きは登録して何日目に来るのか、昨今の登録が下がっていて、飽きて離脱しているユーザーが多いだけでは?と踏んで、別な指標から原因の特定をしていきます。
まとめ
PVの増減には、何かしらの理由があります。その理由を理解することで、次に続くタスクの優先順位の決定ができます。そして、何をしたら上がる、下がる、というノウハウの蓄積になります。このように、画面の先にいる本当は見えないユーザーを見えるものに変えていくことが大事なのです。
今回は、PVの見方を紹介しましたので、次回はPVを上昇させるアプローチをいくつか初回したいと思います。