「継続」と「定着」の違い
前回の連載では、登録直後のユーザーをいかに逃さないか、という視点でどのような数値を見るかご紹介しました。今回はもうちょっと長いスパンで大雑把に把握し、長く使ってもらえるような分析のアプローチをご紹介します。その前に、今回使う用語について最初に定義を明らかにしておきましょう。
「定着」の定義について
前回の「継続」では、あるサービスに登録した「翌日」や「2日後」などの対象日にサイトを訪問した/アプリを起動したUUを継続ユーザー、登録した人数を母数として、継続ユーザーで割った数を継続率としました。しかし、それでは利用シーンが週末に限定されたり、平日の利用があまり多くないサイトやアプリの場合、適切な指標とは言い切れません。また、曜日によって継続率が変動するケースもあります(例:翌日が休みの場合は継続率が高くなるケース)。
今回テーマとしている「定着」は、1週間のうちに一度でもサイトを訪問した/アプリを起動したかどうかを見る指標で、7日間という期間があることが大きな違いです。
・継続:「その日、サイトを訪問した/アプリを起動したかどうか」
・定着:「その週のうち、一度でもサイトを訪問した/アプリを起動したかどうか」
では、今回使う用語をいくつか説明しましょう。
定着数
登録して、ある日から7日以内に一度でも訪問・起動したUUを定着ユーザー、その数を定着数とします。
7日定着数
登録して翌日から7日目以内に一度でも訪問・起動したUUを7日定着数とします。
14日定着数
登録して8日目から14日目以内に一度でも訪問・起動したUUを14日定着数とします。
7日定着率
ある日の登録数を母数として、7日定着数で割った数値が7日定着率です。
例:12月1日の登録数:120
12月2日~8日に訪問・起動したUUが60
60 ÷ 120 = 50 %
今回は、n日定着数とn日定着率とを用いて、どのようにサイトを分析して改善していくのかを紹介します。
7日定着率と14日定着率をまず出してみる
さっそく、ある2つのゲームサービス「マーケジンクロニクル」「マーケジンドラゴン」の7日定着数と14日定着数を算出してみます。
7日定着率を出すと、その定義上、「7日定着率」で登録した日以降、起動していない、すなわち、当日で離脱したユーザーの割合がわかります。「マーケジンクロニクル」に関しては、100%-49%=51%となり、ユーザーが半分以上の割合で初日しか使っていないことがわかるので、前回の記事を参照し、いかに翌日来てもらうかを考えた方がよいでしょう。
一方、「マーケジンドラゴン」に関しては、登録した翌日から7日間で6割がサービスを利用しており、7日定着率から14日定着率の下落幅も「マーケジンクロニクル」よりも低いので良いサービスのように見えます。
「マーケジンクロニクル」には初日での離脱という要因もありますが、この2つのサイトにはどのような違いがあって、このような結果になったか追ってみましょう。