クロスフィニティは、日本国内におけるSEO市場調査を実施し、2012年から2015年までの市場規模の予測を発表した。
2012年のSEO市場規模
2012年はスマートフォン市場が拡大し、スマートフォンサイト設計および制作にSEOの視点を組み込むニーズが増加した。7月にはGoogleによるパンダアップデートの日本語適応拡大が発表され、良質なコンテンツを発信することに注目が集まり、文書作成などコンテンツ作成をアウトソースするニーズも高まった。
またGoogleによるペンギンアップデートの実施や低品質なリンクを集めるサイト運営者への通知など不正なリンクへの取り締まりが強化され、一部のSEOサービス提供企業は売上大幅減の打撃を受けた。一方、それらGoogleの方針を受けてGoogleペナルティ解除サービスや自然リンク獲得とSEO内部施策を中心にコンテンツに主眼を置いたサービスを提供する企業も出てきた。
市場としては、企業サイトにおいても自然流入の量が重要視され、大手企業においてもSEOサービスの導入が進んだことより、2012年国内SEO市場規模は272.7億円と推計。
2013年のSEO市場規模予測
2013年は低品質なリンクへの警戒感から企業のSEOに対する姿勢は慎重さを増している。その一方で、リスティング広告との相乗効果によって幅広い業種においてSEOサービスが認知されていることや大手企業のSEOへの投資は引き続き伸長しているため、同市場は前年比120%の327.7億とプラス成長する見込み。
特にスマートフォンおよび海外向けサイト対応、外資系企業の日本向けサイト対応ともにより一層の需要増加を見込んでいる。SEOサービス提供企業は各検索エンジンの方針や施策に合わせながらも企業のニーズに応える商品開発と施策の透明性が求められると予測。
SEO市場の今後
アトリビューション分析からの予算再配分により、検索エンジンからの流入効果が見直されている。その一方で、SEOサービス提供企業はコーポレートサイトだけではなく、広くオウンドメディア含めたコンテンツ開発やソーシャルメディア活用を含めたコンサルティングなど従来のSEOサービスの範疇を超えた企業ニーズに応じる必要が出てくるだろう。よって、SEOサービス提供企業は幅広いインバウンドマーケティングの1手法としてSEOを捉え直し、他施策と連携していくようなサービスを提供することになると予測される。
またスマートフォンに対する需要は一巡し、結果としてSEO市場は複雑高度化するだろう。そして、2015年までには432.9億円と引き続き緩やかに伸長する見込みである。
【調査概要】
調査時期:2012年1月~2013年6月
調査対象:SEO市場ならびに関連市場
調査主体:クロスフィニティ
調査方法:市場関係者へのヒアリング、公開情報の収集、同社ならびに調査機関が保有するデータ
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