いまだにメルマガの全配信など、行っていませんか?
「いかに顧客を知り、最適なコミュニケーションを図るか。それが非常に重要だとわかっていながら、いまだにメルマガの全配信などを行っている企業が多い」と話すのは、プラスアルファ・コンサルティングの主任コンサルタント 山崎雄司氏。同氏より、「Webマーケティング強化を実現するメールマーケティング最新事例」と題し、CRMシステム「カスタマーリングス」の活用を中心にメールによる顧客育成の最新事情が解説された。
同社はテキストマイニングやデータマイニングに強みを持ち、「見える化エンジン」、「カスタマーリングス」などのツール提供およびコンサルティングを通して、これまで多くの企業のマーケティングをサポートしている。
例えばサプリメント「皇潤」などを販売する九州のエバーライフ(事例記事)や、化粧品通販やアパレル通販企業など、顧客育成がビジネスの大きなポイントになる企業を中心に約150社に導入されているのが、CRMシステム「カスタマーリングス」だ。メールマーケティングを中心に、アンケート配信・回答管理や、顧客分析とセグメンテーション、さらに売上情報と連動した施策の実施や効果測定までを一つのシステム上で行えるため、労力は最低限に抑え、効果の最大化を実現する。
CRMへ取り組むプラットフォームは一つにすべき
ネットの普及により、企業はかつてないほど多くの顧客情報を得られるようになった。だが、一方で生活者の側もさまざまな情報を取得・吟味するようになり、またソーシャルメディアの拡大によって情報への接し方も変化している。
通販・ECや会員サービス事業の発展に、「新規顧客の獲得」と「既存顧客のリピート化」の2つが重要であることは従来から変わらないが、前述のような状況下で、より適切なCRMを実践するための課題は何だろうか?山崎氏は、次の3つの課題を提示する。
(1)コミュニケーションの課題
(2)顧客分析の課題
(3)消費者ニーズ把握の課題
「(1)は、メールは送っているが全員共通の内容、顧客の嗜好やタイミングを加味していないなどだ。(2)は、優良顧客がどんな人なのか分かっていないため、見込み顧客を引き上げるアプローチにも着手できないこと。(3)は、そもそも消費者のニーズが分かっていないこと。実は、これらの大半の問題が『CRM活動がばらばらになっている』ために発生している」と山崎氏は解説する。
例えば、多くの企業で顧客管理システムやメール配信システムを導入している。しかしながら、この2つの連携が図れていないために、顧客を分析して抽出するところまでは前者のシステムで、メール配信のセットは後者のシステムで、と分かれてしまうことがよくあるという。当然、労力がかかり作業に追われてしまう。
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CRM活動の連携・統合で、トライアルから定期購入への引き上げ300%増
同じように、テキストマイニングやアンケート集計なども、CRMに積極的な企業ほど個別のシステムを導入してはいるものの、システムが分かれているために肝心の顧客情報と紐づけることが難しい状況に陥っている。「連携・統合できればぐっとCRM活動を推進できるのに、プラットフォームがばらばらだと、課題に気付いていても実施ができない」と山崎氏は指摘する。そうした状況を解決するのが、以下の5つの機能を網羅した「カスタマーリングス」だ。
・顧客管理システム
・メール配信システム
・顧客分析(データマイニング)
・アンケート収集システム
・テキストマイニング
さらに、基幹となる顧客管理システムは売上データとも連携するため、一定額以上の購入客を分析し、優良顧客への引き上げの可能性が高い一部のセグメントにのみ特典メールを送る、といった複雑な絞り込みも簡単に行うことができる。
実際に、同システムを導入した前述のエバーライフ(事例記事)では、メールマーケティングに着手して以降、施策のPDCAサイクルを効率的かつ高度に行えるようになった。その分析結果を別の施策にも活かすことで、トライアル注文から定期購入への引き上げが300%にも伸長したという。
化粧品通販会社におけるリアルな実践事例
山崎氏はここで、化粧品通販A社の実例を取り上げ、リアルな実践内容を紹介する。「同社では、トライアル商品購入客の本品購入への引き上げと、それをさらにリピート化することが課題でした。この2段階のステップアップを図るために、(1)ターゲットに合わせた自動メール配信(2)優良顧客分析(3)顧客の声の把握の3つを実施した」(山崎氏)
(1)ターゲットに合わせた自動メール配信
(2)優良顧客分析
(3)顧客の声の把握
まず(1)について、同社ではこれまで手作業で顧客リストを絞り込み、メールを配信していたが、数が多い商品点数に対応する出し分けができていなかった。そこでカスタマーリングスに、これまで使っていたデータファイルを移行し、売上データと紐づけたデータプールを作成。管理画面上で、年齢や購入額などを設定・抽出し、それぞれをツリー構造のフォルダに分類できるようになった。
メール配信の過程で特に役に立つのが、その後のユーザーアクションを蓄積し、分析できる機能だ。例えば、メール本文のあるURLリンクをクリックした人だけを抽出して再度アプローチをしたり、その人たちを特に有力な見込顧客として分析したりすることもできる。「ツールを使うほど結果のデータを蓄積できるので、施策の精度を向上させられる」と山崎氏。
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どのランクの顧客がどのような意見を持っているのかを可視化
(1)ターゲットに合わせた自動メール配信
(2)優良顧客分析
(3)顧客の声の把握
カスタマーリングスに蓄積される、メールへの反応を含めた顧客情報は、そのまま(2)の優良顧客分析を行う母集団になる。リピート購入客の特徴を分析し、それに近い顧客データを見込み顧客リストから呼び出してアプローチするといったことも容易だ。
さらに、アンケート収集とテキストマイニング機能を用いて、(3)顧客のリアルな声を分析できる。特にこれまで困難だったのは、前後の文脈の判断が必要なテキスト分析。一つひとつ読むとなるととても時間が足りないが、「高い」「安い」といったワードで単純に分類・定量化しても意味がないのがテキストマイニングの難しい点だ。
その点を、カスタマーリングスでは非常に重視し、分析の精度を高めている。「フリーアンサーの分析には特に力を入れている。日本語を正しく分析し、文章という定性的な回答を定量化することで、満足の声は商品キャッチやランディングページに反映、不満の声は商品の改善に活かしていくことができる」と山崎氏。
もちろん、「友人に薦めたい」と言っている人に紹介キャンペーンを案内するなど、ニーズに合った次なる施策も柔軟に企画できる。顧客情報と紐づいているため、どのようなランクの顧客がどんな意見を持っているのかも可視化されるのだ。実際に(1)~(3)を実施したA社では、それぞれについてPDCAを回し、優良顧客化を大きく促進した。
ソーシャルメディアで潜在顧客を発掘、一気通貫のCRMを
カスタマーリングスは顧客のステップアップのほかにも、休眠顧客の活性化、クロスセル促進など、施策内容次第でさまざまな目的に活用できる。プラスアルファ・コンサルティングの導入後サポートや勉強会などにより、多くの企業でメール開封率やURLクリック数などが向上しており、中にはコンバージョンが5倍近く上がったケースもあるという。特に売上データと連携できる点が、精緻なセグメントとアプローチを可能にし、こうした高い成果を生み出していると言えるだろう。
今、山崎氏が次に注目しているのがソーシャルメディアの活用だ。「ソーシャルCRMという言葉も使われ始めましたが、見込み顧客以前の生活者と緩やかな関係を築けるのが、ソーシャルメディアの利点だと思う」と山崎氏。それを加味して、カスタマーリングスではソーシャルメディア上の発言の検索やリプライの内容、過去の応対の履歴なども顧客情報として管理できるので、潜在的な顧客の発掘にも大いに役立つ。
カスタマーリングスはSaaS型なので、常に最新の機能が追加されていく。「いずれ、ソーシャルメディアのアカウントがメールアドレスのような登録情報に扱われる時代が来るのでは、と思う。潜在顧客発掘から優良顧客育成まで一気通貫で行えるように、これからもブラッシュアップしていく」と山崎氏。CRMを強力に推進するシステムが、顧客との関係づくりの大きな弾みとなるはずだ。
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