「買ってから選ぶ。」ロコンドが提示する新しいEC通販の仕組み
今や、あらゆる商材がECで扱われているが、「試着しなければ分からない」という点からアパレルは比較的遅く拡大したカテゴリーだろう。中でも靴は、試し履きをせずに購入するハードルが高い。その概念を覆したのが、靴とファッションの通販サイト「LOCONDO」だ。配送料のみならず、返品にかかる送料も同社が負担。しかも30日間の猶予があるという独自の仕組みによってユーザー数を伸ばし、創業してから右肩上がりの成長を続けている。
今回の基調講演では、サイトを運営する株式会社ロコンド マーケティングディレクターの平塚祐司氏を迎え、「『買ってから選ぶ。』新しいEC通販のしくみを掲げ得るロコンドの成長を支えるアドテクノロジー活用術」と題した同社の躍進の秘訣が披露された。
2011年2月、靴とファッションの通販サイトとしてオープンしたLOCONDOは、現在約1,000ブランドを扱い、総在庫数は15万点を数える一大ECサイトとなっている。創業時から、まったく新しいECスタイルを打ち出してきた同社。「メインコンセプトとして『買ってから選ぶ。』を標榜し、安心の返品サービスをお客様に提案してきました」と、平塚氏は振り返る。
広告から適切なリターン、得られてる?
その仕組みもさることながら、同社が大切にしているのは、ECだからこそこだわる、人による温かみのあるサポートだ。自社社員で運営するコールセンターを「コンシェルジュ部門」と称し、その評価基準として応答率はもとより「お客様に何回“ありがとう”と言われたかを重視している」という。物流拠点も自社で運営し、土日祝日も稼働しているので、ユーザーにとっては利便性も非常に高い。
店としての品ぞろえと仕組み、そして対面販売に負けないサービスにより、月間注文数は創業時のから順調に伸びている。
「ですが長らく、広告配信量とその効果はばらばら。かなり投資したのに成果に反映されないことも多々あり、ずっとオンライン広告と悪戦苦闘してきました。その変遷を題するなら“俺のアドテク&アトリビューション史”です」
Phase1:サービス開始~数か月
Phase2:ふたつの出会い(1)アトリビューション(2)アドテクノロジー
Phase3:戦略的な試行錯誤
Phase4:そして今
アトリビューション、つまり、その広告がどの程度成果に寄与しているのか。その考え方を体得し、適切なリターンを得られるようになるまでの歴史として、平塚氏は上記の4フェーズを挙げる。