データに基づき、改善案を精査する
さらに、次のフローは「改善案の精査」である。例えば、あるユーザーが「無料モニター募集」というバナーを見て、魅力的だと評価したからといって「無料」を強く訴求したほうがよいと拙速に判断すべきではないということだ。
「当社は『無料といっても、モニターだから不安なのでは』という仮説を立て、アンケートで検証しました。すると、不安の声よりも、無料で嬉しいという声の方が多いことがわかりました。その結果を受けて、『無料モニター募集』のバナーを大きくしました」
その改善の結果、KPIの無料適応診断の申込み率は37%アップ。さらに多変量テストで他の要素も合わせて改善したところ、結果として3か月で申込み率が242%アップしたという。顧客の声を鵜のみにするのではなく、ここでもデータに基づいて施策を決定していくことが重要だ。
一つひとつのプロセスをデータドリブンに行う
また、執刀医の情報が足りないという課題についても、深堀しました」と山本氏。例えば、アイクリニックがアピールポイントだと思っている「Ph.D学位を押すべきなのか」というアンケートをとったところ、「そんな資格は知らない」という回答が9割弱もあった。ではユーザーは本当は何を知りたいのかについてアンケートをとったところ、「眼科専門であること」「執刀に関する実績」が知りたいという回答が得られた。
それらの結果に基づき、執刀医の紹介を充実させることで、申込み率が27%アップした。さらにバナーに先生の画像を載せることで33%アップし、適応検査までの流れなども加えることで、最終的には76%も改善したという。
「今回の事例のようなミクロ視点のアプローチに限らず、データに基づき、改善案を出して検証することで、有効なPDCAを回すことができる。そのプロセス一つひとつをデータドリブンに行うことにより、ページ改善の源である、ユーザーの意思と行動についての知見を蓄えることができます。一度CVRが上がったという結果だけにとどまらず、より大きな成果を得ることができるでしょう」と山本氏は講演を締めくくった。
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