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FEATURE

トーマス・ダベンポートが語る“アナリティクス3.0”、「Google アナリティクス プレミアム」は次のステージへ

新機能2:Google BigQueryとの連携

 ビッグデータへの取り組みが進む現在、企業ではウェブのデータだけでも量が増大し、分析を待っているデータたちが多いのが現状だと思います。そこで、Google アナリティクス プレミアムでは、Google クラウド プラットフォーム サービス上で提供される、「Google BigQuery」との連携を発表しました。

 Google BigQueryは、数テラバイトの莫大なビッグデータ解析を数秒で実行できるサービス。Google クラウド上に大量のデータを格納し、ビッグデータをクエリを使って高速に分析できます。Google アナリティクス プレミアムは企業の膨大なウェブデータを分析できますが、BigQueryは、ウェブデータだけではなく、企業内のCRMシステム、コールセンター、ソーシャルメディアなどに分散した企業情報系のビッグデータも分析可能です。

プレミアム版のユーザーには500ドルのおまけも

 Google アナリティクスで管理するウェブデータと企業内に眠るデータを統合して分析することが可能になったことで、ビッグデータ分析がマーケティングに必要不可欠な、製造、メディア、流通、ゲーム、通信などの企業においては重要インフラになり得ると考えます。

 また、企業デジタルマーケティングの視点では、今までのシステムデータを取り扱うシステム部とウェブデータを扱うマーケティング部の役割分担を再検討し、ビッグデータ解析に取り組む戦略と体制が今後は必要と考えます。

 この発表にはおまけもありました。プレミアム版のユーザーには、BigQueryの利用料金である月額500ドルを提供するとのこと。採用検討の後押しするのがねらいのようです。

新機能3:DoubleClick Campaign Managerとの統合

 3つ目の新機能は、Google アナリティクスとDoubleClick Campaign Managerとの統合です。これによって両者の連携が可能になりました。DoubleClick Campaign Managerは、広告主のウェブ広告施策、いわゆるキャンペーンを一括で管理するツールです。ウェブ広告の投資対効果、キャンペーンごとの投資対効果を可視化します。今回の統合によって、ひとつのUIで次の広告施策を展開でき、アクションの高速化を実現し、解析からアクションまでをシームレスにつなぎます。

 これによって、広告キャンペーンの管理にもメリットがあります。Google タグマネージャを利用している場合、タグマネージャでFloodlight、コンバージョンタグの設置が可能となります。キャンペーンの管理者としては、ウェブサイトに手を加える必要がなく、新しいキャンペーンを始める際のタグの設置を容易に実施することが可能です。

 詳細は、下記公式ブログもご参照ください。

もうひとつの新機能:
Management UI & API(ユーザー管理、設定管理用UI、API)

 「Management UI & API(ユーザー管理、設定管理用のUI、API)」はプレミアム限定の機能ではありませんが、企業においてアナリティクスを浸透させ、社内の多くのユーザーが利用する基盤とするためには必要な機能です。

 Google アナリティクスを利用するウェブチームやシステムチームが、ユーザー管理や、Google アナリティクスの設定変更を行う際は、管理画面からの操作のみが可能でした。多くのユーザー変更や多くのプロファイルの作成などを行う際は、ひとつひとつのプロファイルの設定画面を開いて手作業で変更していたのです。規模の大きいサイトや企業であれば、Google アナリティクスのアカウントは数百プロファイルに分かれています。今回の発表によって、これを容易にするUI、さらにAPI経由での操作が可能になったのです。

 APIを利用して管理者が管理しやすくなるツール等を開発すれば、ユーザー管理、設定変更のシステム化が可能になります。Google アナリティクス ユーザー管理用のツールが開発されたり、プロファイル一括変更ツールなども開発されていくでしょう。

アナリティクスは次のステージへ

 アナリティクスは次のステージに進んでいます。企業内のデータを、必要とする誰もが使うためにどうやって定着させるか。簡単に優しく提供することができるか。またそれをどうやってアクションに活用していくか。これらがより具体的に戦略化され、動き出しています。

 今回はサミットに参加し、「 変化 」と「 プレミアム版の進化 」に焦点を当ててみていきました。今後も進化したGoogle アナリティクスのビジネスにおける活用について、現場で取り組むウェブアナリストの視点からまとめていきますので、ご期待ください。

 また、今回のサミットについて、初日セッションのまとめがGoogle アナリティクス公式ブログに掲載されています。こちらもぜひ参考にしてください。

※今回発表された内容は今後Googleの方針により変更される事があります。Googleの正式発表をご参照ください。

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この記事の著者

山田 輝明(ヤマダ テルアキ)

NRIネットコム株式会社 クラウドテクニカルセンター 副センター長 兼 営業DX推進担当

2009年にNRIネットコムに入社。デジタルマーケティング事業を立ち上げ、特にGoogleアナリティクス、デジタル広告に関するビジネス拡大に注力。2018年にNRIネットコムから一旦退出し、株式会社MeeCapを設立、スタートアッ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/10/25 11:00 https://markezine.jp/article/detail/18718

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