カルチュア・コンビニエンス・クラブは、MarkeZineとの共同企画として、Tカードを利用している23~49歳の男女2,515名のT会員を対象に、同社が提供するネットリサーチサービスTリサーチを利用しビッグデータに関するアンケート調査を行った。
今回行った調査によると、ビジネスパーソンのビッグデータへの認知率はテレビCMでも耳にすることが多い「クラウドコンピューティング」(54.3%)に続き2位(37.9%)という結果となった。職種別(IT部門/マーケティング部門)別に見ると、IT部門では70.3%、マーケティング部門では61.4%とさらに高い数値を示した。
また、「ビッグデータ」というキーワードを知っている人に対し、「ビッグデータ」についてどのくらい理解しているのかを聞いたところ、「知っていて、内容もほぼ理解している」のは全体で見ると41.2%だが、IT部門では66.7%、マーケティング部門では58.8%と高い数値を示した。その一方でその他一般では36.5%という結果となり、職種によって「ビッグデータ」への理解度が異なることがわかった。
一方、同様の対象者にビッグデータを構成するデータは具体的にどのようなデータだと思うか? と聞いたところ、最近「ビッグデータ」とあわせて語られることが多い「位置、乗車履歴、温度等のセンサーデータ」(52.9%)、「販売管理等の業務システムにおいて生成などされるPOSデータ、取引明細等のデータ」(52.6%)、「ソーシャルメディアにおいて参加者が書き込むプロフィール、コメント等のデータ」(48.6%)、「EC サイトやブログ等において蓄積されるデータ」(45.0%)を選択する人が多いことがわかった。
総務省が発表した「情報通信白書平成24年版」では「ビッグデータ」は、「ソーシャルメディアデータ」「マルチメディアデータ」「ウェブサイトデータ」「センサーデータ」「オペレーションデータ」「ログデータ」「オフィスデータ」「カスタマーデータ」といったデータで構成されていると定義しており、メディアで語られる文脈に応じた理解に留まっている傾向にあることがうかがえた。
さらに、ビッグデータを一言で表すなら?と聞いたところ、「データ」「情報」「膨大」といったワードが散見されたものの、特定の共通のキーワードにあたるものを見出すことはできなかった。特徴的な点はIT部門では「データ」「情報」「ビジネス」が上位となり、既存IT事業の延長としてビッグデータを現実的に捉えているのに対し、マーケティング部門は、「データ」「マーケティング」「新しい」が上位となり、ビッグデータを未来的なものと捉え、今後の新たなビジネスチャンスの創出や活用をイメージしている傾向にあることがわかった。
昨今IT部門とマーケティング部門の連携がビジネスインパクトを生み出すと耳にする機会が増えたが、連携が上手く進む例は少ない。連携を進めるにはまず「言葉に対する理解の統一」をはかることが重要なのかもしれない。なお、このビッグデータに関するアンケート調査は今後も継続して行われる予定だ。
調査概要
- 調査方法:インターネット(Tアンケート)
- 調査期間:2013年10月25 日(金)~10月28日(月)
- 調査地域:全国
- 調査対象:23~49歳の男女(T会員)
- サンプル数:2,515名
【関連記事】
・第2期ビッグデータ戦略的ビジネス活用研究会、募集開始
・ブレインパッドと日立、ビッグデータ利活用で協業
・すららネット、東京大学等と共同でオンライン学習教材活用ビッグデータ分析研究プロジェクト開始
・博報堂ら、ビッグデータを安価で手軽に分析・可視化できるクラウド型データ分析ツール「ハッケン」
・「消費者の本音」をソーシャルデータから発掘! 日立システムズ、ビッグデータ時代のソーシャルデータ活用セミナー開催