日本のSEMのトップランナーが一堂に
10月30日、東京・渋谷ヒカリエで開催された「Search Summit Tokyo 2013」(主催:Search Summit Tokyo実行委員会)は、サーチエンジンマーケティング(SEM)のトップランナーたちが一堂に会し、SEMのこれまでとこれからを考える一夜限りのイベント。開会の挨拶は、アタラ合同会社CEO 杉原剛氏、sembear代表の治田耕太郎氏が行った。
杉原 2011年に「アトリビューションナイト」をやったときに、今度は「サーチナイト」をやろうとFacebookで盛り上がった。皆さんご存知の「SES」「SMX」は10年以上続いている世界的なサーチイベント。6月にシアトルの「SMX」に参加したが、世界中から検索エンジン従事者が集まり、聴講するだけでなく、数字を出しながら知見をシェアしている。その本気さに感銘を受ける一方で、こうしたイベントが日本にないのが残念だった。今日はパネリストとともにみなさんと知見を共有したい。
治田 「サーチエンジンマーケティング」というのは、「SEOやリスティングを使って、検索しているユーザーにリーチするマーケティング手法」というのが本来の定義。もう一度、その原点に立ち返って考えてみたい。このイベントは“運用者の運用者による運用者のためのお祭り”。来年以降はSESやSMXに比肩しうるイベントに、いくつかの地方都市でも開催したいと思っている。今回は代理店、広告主、メディアの垣根を越えて本質的にサーチマーケティングを見直し、将来をきちんと語っていきたい。
2人の熱いメッセージに、会場の期待も高まる。挨拶に続いて、第一部「SEOセッション」のパネルディスカッションが始まった。
最初のSEOは「検索エンジンにサイトのURLを登録すること」だった
第一部のテーマは「検索エンジン最適化(SEO)とは」。モデレーターは河田顕治氏が務める。まず最初に、アイレップの渡辺隆広氏が検索エンジンと検索連動型広告についてこれまでの流れを解説した。
渡辺 大きく3つの時代に分けられる。Googleが登場する前あるいは登場直後は、検索エンジンがたくさんあった。これが“戦国時代”。次は「Google」「Yahoo! JAPAN」「MSN」の“三強時代”で検索技術がどんどん発達していた時代。そして現在、Yahoo! JAPANがGoogleの検索技術を採用するに至った“二強時代”となっている。
2000年以前の「SEO」とは、検索エンジンにサイトのURLを登録することだった。Googleの登場によって「ページランク」、すなわちリンクによってウェブページを評価するようになり、現在のようなSEOの時代に変わってきた。Googleのページランク導入を皮切りに、どうやってリンクを集めるかという話になり、それがスパムの始まりでもあった。
しかし今日、Googleは不自然なリンクに厳しい姿勢を示しており、自然なリンクの獲得が重視されるようになってきた。これが現在の「コンテンツマーケティング」、いかにコンテンツを提供してユーザーに価値を提供するとともに、リンクを得るかというふうに変わってきた。
河田 戦国時代、海の向こうではYahoo! Inc.やGoogleが創業し、日本にもサービスが広がってきた。さらに1998年、Goto.com(のちのOverture)が出てきた。検索結果と広告が結びついてマネタイズの手段ができたことで、「検索は儲かる、だからもっといいものにしていこう」というモチベーションが生まれた。そして、検索以外のサービスにお金が回り始めた。検索そのものの進化と、その裏側のマネタイズする仕組みの登場によって、インターネットの進化が加速したという状況がある。