野村総合研究所は、2018年度までに企業等でデータ分析のビジネス活用動向がどのように進展するかを予測した「ITロードマップ」を発表した。
データ分析をビジネスに活用するためには、高度なデータ分析の専門家であるデータサイエンティストの存在が不可欠である。しかし現時点では、日本企業で社内にデータサイエンティストがいる企業は8%程度と、ごく一部である。今後、現場力とコンサルタント的スキルを持つ「日本型データサイエンティスト」が登場し活躍することで、データ分析がビジネス展開に大きく貢献する成功事例が、徐々に現れてくるとみられる。
2013~2014年度:データ活用の黎明期
日本型データサイエンティストは、一般的なデータサイエンティストのように、高度なデータ分析力を持った専門家というだけではなく、ビジネス現場での課題解決に向けた仮説を立て、それをデータ分析で検証し、事業部門に実行を働きかけていく、現場力を持った存在である。
2015~2016年度:全社的なデータガバナンスへの発展期
2013年現在、すでに米国では、CDO(チーフ・データ・オフィサー/最高データ責任者)やCAO(チーフ・アナリティクス・オフィサー/最高分析責任者)を置く企業が増えつつある。この時期になると、日本企業でも、データ分析によってビジネス成果が得られる成功事例が出始め、データガバナンスのためにCDOやCAOが設置され、全社的なデータの管理・分析・展開が進む。
2017年度以降:戦略的なデータ活用の普及期
データガバナンスの下、自社内のデータの整備や、ネット上および実世界での多彩なデータの分析や実証環境が整備される。さらに、データ間の連係・融合技術の進化と外部のデータ提供サービスが活発化することにより、自社のデータと外部のデータを結びつけ、顧客に関する多面的で深い分析を行うことが可能になる。社内外のデータを自在に連係させ、既存の業務改善の延長ではない新しい施策を展開するなど、データを戦略的に活用することができるようになる。
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