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料理本のミリオンセラーを次々と生み出す「レシピブログ」、“適創適所”で人気サービスを育てる粟飯原理咲さんインタビュー


料理ブロガーの夢をかなえるプラットフォームへ

― 自分のレシピが本になるのは、お料理ブロガーにとってひとつの夢ですよね。

 これまでレシピブログに登録されているお料理ブロガーの方が出版した料理本は250冊を超えています。毎日の晩ごはんをテーマにした本から、パンやお菓子専門、「男の料理」という切り口までさまざま。ランキング上位の方をチェックしている出版社の方も多いので、「いつか本を出してみたい」という夢を持ってレシピブログに参加されるブロガーさんも多いようです。

― レシピブログはブロガーの夢をかなえるプラットフォームにもなっているのですね。

 それを目指しています。閲覧するユーザーの方々はもちろん大事ですが、参加ブロガーの方を応援したい気持ちも強く持っています。例えば、昨年オープンしたキッチンスタジオでは料理写真のプロによる写真講座や、雑誌『ESSE』(扶桑社)の編集長によるレシピの書き方講座などを行っています。クリエイターとしての技量が上がるサポートをしていきたいんです。

― これまでは料理の専門家が料理を教えるのが一般的でしたが。

 今後も料理家が教える世界はもちろんありながら、一方で日々の食卓を一生懸命考えている、自分と同じ立場の人のレシピにも大きなニーズがあるんだなと、いつも実感しています。女性ユーザーにブログを始めたきっかけをたずねると「家族や娘に自分のレシピ残したい」という回答が多いんです。そんな気持ちから始まって、本が出たり、スマートフォンを通して本当に多くの方々に見ていただいて、私たちも楽しみながら運営しています。

まるごと1冊、レシピブログ参加ブロガーのレシピでできた「レシピブログmagazine」。
特集されている山本ゆりさんは、著書『shunkonカフェごはん』がシリーズ累計200万部突破。

― 新たな展開として、11月に扶桑社からムック『レシピブログmagazineが創刊されました。

 雑誌『ESSE』で何度か特集していただいたレシピブログのランキングの反響が大きかったので、1冊丸ごとやりましょう、とお話をいただきました。売れるのかドキドキしていたのですが、発売前のオンライン予約で楽天ブックスの総合1位と、アマゾンの「クッキング・レシピ」カテゴリーの1位になりました。『レシピブログmagazine』には男性ブロガーも登場していて、最年少は高校生男子。レシピブログは書き手も読み手も9割以上が女性なのですが、最近は男性ブロガーの方も増えていますね。

人生の満足度を上げるサービスを届けたい

― レシピブログでは、今どんな新しい試みに取り組んでいますか?

 今年の後半にレシピブログのアプリをリリースし、iPhoneとAndroid合わせて20万ダウンロードになりました。直近では、動画の活用ですね。11月に講師をお招きしてYouTubeと動画の料理講座を実験的にやってみたところ、ブロガーの方々にも好評でした。動画をやってる方は海外ですごく人気があるんです。米メディアから招待されて現地のファンの方と交流した人もいます(笑)。

 レシピブログでは以前から動画コーナーを設けているのですが、英語レシピには、海外からたくさんのコメントがつきます。男性はこういうのが得意な方が多く、YouTuberとして非常に人気になられて、動画とブログを組み合わせてやっている方もいます。

― 今後、どのようなことに挑戦していきたいですか?

 もっとブロガーの方々とユーザーの方々が直接出会える場をつくりたいですね。例えば先日は、キッチンスタジオに佐渡のお米の生産者を招き、そのお米をブロガーが料理するイベントを開催しました。イベント後はブロガーや参加ユーザーから、そのお米やレシピのことがオンラインで拡散していく。そんなリアルを起点とした厚みのある発信をしていきたいです。

 個人的には、大きな目標を達成するのもいいですが、日々ちょっとした幸せをどのくらい感じられるかが人生の満足度につながるんじゃないかと思っているんです。毎日見ても飽きがこない、ちょっと幸せになれるようなサービスをこれからも続けていきたいと思っています。

 折しも「和食」がユネスコの無形文化遺産に認定され、ますます日本の料理ブロガーの活躍の場は広がっていきそう。次に、粟飯原氏がどんなサービスを提案するのか、これから期待とともに注目したい。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/12/19 10:04 https://markezine.jp/article/detail/19013

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