JTB総合研究所は、「バブル世代のライフスタイルと旅行消費に関する調査」を行った。昨今、1980年代のバブルの時期を大学生や若手社会人として過ごしてきたいわゆる「バブル世代」について、この世代を対象にした雑誌が創刊されたり、ディスコが復活したりと、消費のけん引力に期待と注目が集まっている。
バブル世代の3割弱が独身
回答者のプロフィールをみると、同居家族は「夫婦と子ども(末子が18歳未満)」が29.7%と最も多かった。また、未婚・既婚については74.3%が「既婚」、子どもの有無については60.4%が「子どもあり」であった。
バブル世代で世帯年収が高いのは?
世帯年収は、全体では 600~800万未満が21.3%と最も多く、400~600万未満(19.9%)、800~1,000 万未満(16.7%)と続いた。1,000万円以上が多いのは、同居家族が「夫婦と子ども(末子が18歳以上)」(29.8%)、「夫婦のみ」(19.1%)であった。末子が18歳以上の世帯は、本調査対象の中では年齢が高めであること、夫婦のみの世帯は共働きが多いと思われることが理由のようだ。
約半数が「本当に良いものならば予算を超えても購入する」
自分が最も気に入った高級品(鞄や時計など)が、予算よりやや高額だった場合にどのような行動をとるのかを尋ねたところ、「本当に良いものだと思えば、予算を超えても購入する」が約半数の46.4%であった。
男女別にみると、「本当に良いものだと思えば、予算を超えても購入する」は、男性の同居家族「夫婦のみ」が 53.4%と高く、この層の男性は経済的なゆとりや精神的なゆとりがあるものと思われる。
一方、女性の「自分ひとり」は年収400万未満が53.8%にもかかわらず、「本当に良いものだと思えば、予算を超えても購入する」が 52.5%と他に比べやや高かった。バブル世代は、大学生や若手社会人の頃に質の良いモノやコトを知る機会があったことが、こうした良いモノに対しては妥協しない気質につながっていると思われる。
節約したくないもの
今年4月から消費税率が5%から8%にアップする。増税後に節約したくないものでは、男性では「国内旅行」(31.5%)、女性では「日常の食料品・食事」(32.8%)が最も高かった。
男女別にみると、男性の方が自分の趣味や外食代といった楽しみの面を節約したくない傾向がうかがえる。一方、女性は「美容院の費用」の割合が高く、身だしなみにかかわることは節約したくないことが明らかになった。なお、「子どもや孫の教育費」は、全体では概ね 20%程度の回答割合であるが、子育て中の層の回答割合は40%以上と非常に高く、自分の趣味などの支出は抑えても、教育の面では妥協したくないという意向がうかがえた。
買い物(日用品以外)の一番の情報源は「新聞の折込チラシ」
買い物(日用品以外)の情報源は、男女とも「新聞の折込チラシ」が最も高かった(男性 44.7%、女性 50.1%)。男性は「インターネット」(33.6%)が次に高く、女性は「インターネット」(32.1%)よりも「家族や友人の口コミ」(49.8%)、「通販会社のカタログ」(34.6%)が上位であった。
同居家族別では、「自分ひとり」は新聞の折込チラシは低く、この層はそもそも新聞を取ってない可能性も考えられる。一方、インターネットは、女性の「自分ひとり」で高い。女性の場合、子育て層はママ友などとの会話や通販などで、ひとり層はインターネットを情報源にしているようだ。
本調査はインターネットアンケートで実施しているが、新聞の折込チラシをはじめ、通販会社のカタログ、新聞記事や広告も高いことから、同居家族が「自分ひとり」を除けば、バブル世代はまだ紙媒体を情報源として積極的に活用している世代と言えるだろう。
【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート調査
調査時期:2013年11月13~18日
調査対象:首都圏、名古屋圏、大阪圏に居住する、過去3年以内に宿泊を伴う旅行(業務による出張、帰省を除く)をしたことがある、1959~1970年生まれの男女
調査人数:1,651人
【関連記事】
・シニア世代、スマホに満足している人の約6割はiPhoneユーザー【IMJ調査】
・スマホユーザー、全世代でGoogleの検索・地図サービスが定着か【ニールセン調査】
・シニア世代の“期待を上回った家電”ベスト3は「ルンバ・タブレット・食器洗い機」
・シニア世代のネット通販、約9割が「楽天市場」利用【シニアの消費に関する調査】
・約8割の女性「ソーシャルメディアが購買・サービス利用に影響」と回答