データ分析のコンサルティングを行える人材育成に注力
MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは、この1月に設立された株式会社Qubitalデータサイエンス(以下Qubital)について、事業内容をお教えください。
高田:ヤフーとブレインパッドによる合弁会社、Qubitalでは、マルチビッグデータの分析とコンサルティング事業を行っていきます。同時に、それができる人材の育成に力を入れていきます。
MZ:社名が発表されたのは1月ですが、計画としては昨年11月にヤフーのマーケティングソリューションカンパニーが発表した新戦略に基づくものですね。
高田:ええ。その際、個々の広告主が持つデータと、当社の膨大なデータを統合管理できるプライベートDMPの提供を発表しましたが、それに伴って高度なデータ分析ができる人材の必要性も見据えていたので、その時点で合弁会社の設立も発表していました。
データと、それを支えるプロダクトは、ヤフーだけで用意できるかもしれません。ですが、広告主企業とひざを突き合わせて課題を洗い出し、根本的な解決を図っていくには、やはり人の力が不可欠です。そこで、データ分析やデータ関連サービスを専門とした国内唯一の上場企業であるブレインパッドに協業を打診し、データサイエンティストの育成の部分を担っていただくことになりました。
企業のデータとヤフーのデータを連携し、膨大な基盤を構築
MZ:打診されて、ブレインパッドとしてはいかがでしたか?
草野:直感的におもしろそうだと思い、ぜひやりたいと即答しました。当社は分析ができる人材は一定量有していますが、クライアントのデータを使って分析をするので、データの品質や量が十分でないと、どんなにコンサルの能力や分析技術が優れていても価値を出しづらいというジレンマもあります。ヤフーには質、量ともに日本で有数のデータベースがあるので、それを基盤にわれわれの人材育成のノウハウを生かしてコンサルティングをしていくのは、非常に野心的なチャレンジだと思いました。
MZ:草野さんがQubitalの代表取締役社長を務め、ヤフーサイドからは山口さんが取締役副社長に就くのですね。
山口:そうですね。私はヤフーでは財務・事業戦略部に属し、マーケティングソリューションカンパニーの中期計画の作成や、外部企業とのアライアンスの管理進行などに携わっております。
MZ:既存のデータ分析コンサルティングサービスとの違いは、どのような点ですか?
草野:Qubitalのコンサルティング事業は、基本的にヤフーのDMPサービスと対になるもので、ヤフーが有するデータとクライアントが有するデータを掛け合わせて分析を行っていきます。これが、他のデータ分析コンサルティングサービスと最も違うところです。自社のデータに対していくら高度な分析を行っても得られない情報を提供できます。