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Facebookが買収した3D仮想現実デバイス「Oculus Rift」は「情報の共有」から「体験の共有」の時代のデファクトスタンダードとなるか

ソニーも「Project Morpheus」で追撃

 こうした快進撃に刺激されてか、今年のGDC(Game Developers Conference)で、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が新しいヘッドマウントディスプレイ「Project Morpheus」の試作品を発表。プレイステーション4(PS4)の周辺機器として製品化を目指している。洗練されたデザインだけでなく、機能も現時点のOculus Riftと比べて遜色ない。PS4という完成されたプラットフォームがあるだけに製品化への期待が高まっている。

「Project Morpheus」は、バイザースタイルのMorpheusのヘッドマウントユニットを頭部に被ると、プレイヤーの眼前に迫力のある広大な3D空間が出現する
「Project Morpheus」は、バイザースタイルのヘッドマウントユニットを頭部に被ると
プレイヤーの眼前に迫力のある広大な3D空間が出現する

 しかし、Oculus RiftがPCベースのオープンな開発環境であるのに対して、SCEの場合は一部を除いてクローズド。このほかにも、両者の間にはいくつかの違いがある。

 今回のFacebookの買収によって、Oculus RiftがVRデバイスのデファクトスタンダードになることが決まったと見る向きもあるが、この他の競合製品も含めて、今後どれだけ多くのユーザーと開発者を巻き込めるか注目される。

 新しい体験を提供する技術は現在も研究が進んでおり、「AR(Augmented Reality、拡張現実)」「VR(Virtual Reality、仮想現実)」に加えて、「SR(Substitutional Reality、代替現実)」の研究もおこなわれている。

理研の研究チームが手がける「SR(Substituti­onal Reality: 代替現実)」は、
体験者のHMDにカメラからのライブ映像とあらかじめ同じ場所で撮影した過去映像を織り交ぜて表示

情報の共有から、体験の共有へ

 Facebookの買収については賛否両論が巻き起こったが、Facebookはまずゲーム用デバイスとしての成功を見守る姿勢を示している。しかしOculus VR社は、単なるゲームの周辺機器ではなく、バーチャルリアリティをより身近なものにするためのプラットフォームとして製品を位置づけており、両社のねらいはゲームだけにとどまらないことは明らかだ。

 将来、FacebookとOculus Riftがつながったとき、何が可能になるのか。遠く離れた友人と映画やスポーツを一緒に楽しむなど、さまざまな想像が膨らむ。Oculus Riftは新しい体験、情報の共有から体験の共有を可能にする。Faebookは、現在頂点を迎えつつあるモバイルのその先にある世界に投資したと言えるかもしれない。

 最後に、先日急きょ来日したパルマ―・ラッキー氏の言葉を紹介しよう。Unityの開発者向けイベント「Unite Japan 2014」に登壇した彼は、2つの大きな発表を行った。ひとつは、「Oculus Rift Development Kit 2」を日本最優先で出荷すること、もうひとつはOculus VR Japanを設立すること。

 「いま、VRヘッドマウントディスプレイが注目されているのは偶然ではなく、技術の進歩により準備が整ったためである。ソニーのProject Morpheusが同時期に発表されたのも偶然ではないだろう。最近のゲーム機はグラフィックの進歩はあるが劇的な変化ではない。VRは新しい体験を与えてくれるものとして注目されているのだろう。」

 停滞するゲームの世界に新たなトビラを開いたOculus Riftは、これからもさまざまな業界を巻き込んで台風の眼になりそうだ。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2014/04/11 10:45 https://markezine.jp/article/detail/19638

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