PayPalとの連携でコンテンツ販売も可能に
5つ目の特徴はマルチアカウント。Mzにはスタンダード版の「Core エディション」と上位版の「Ultimateエディション」があり、Ultimateエディションでは、マルチアカウント機能を利用して番組やサイト、グループ会社、制作パートナーごとなどにアカウントを割り当てられる。それにより、セキュリティの強化や運用・分析の効率化を図ることができる。
6つ目はコンテンツ販売。課金決済サービス「PayPal」などと連携することで、動画コンテンツの販売が可能になる。
7つ目のMzの特徴はAD連携だ。IAB(The Interactive Advertising Bureau)が定める「VAST 2.0」「VPAID 2.0」に対応し、日本国内で展開するADサーバーやSSPなどと連携する準備を進めている。(VAST、VPAIDについての解説記事はこちら)
8つ目の特徴はユーザー投稿機能。これは一般企業がキャンペーンなどで顧客から動画を投稿してもらい、内容を確認してからWebサイト上に公開するといった場合などで利用される。最後に、9つ目の特徴はログ分析だ。どの地域や国からのアクセスが多いのか、どれぐらいのアクセス数があるのかなどといったことがビジュアル化されて映し出される。
国内動画広告市場の現状
そして、竹見氏に代って登壇した動画RTB大手のチューブモーグル 代表取締役 兼 CEOの狩野昌央氏が、国内動画広告市場の現況について語った。
狩野氏によると、チューブモーグルでは昨年8月以降、動画広告の問い合わせが急増し出したという。「メディア企業の人にはコンテンツのビデオ化を進めてほしい。今、日本で大きな問題になっているのは、VAST 2.0やVPAID 2.0に対応したプレイヤーとともに動く広告枠が少ないということ」だと狩野氏は訴えた。
すでに米国では、テレビと動画広告を組み合わせることでシナジー効果が生まれることに気がついた広告主が広告枠を買い付け、高値で取り引きされる状況が生まれているという。米国では一気に動画広告市場が広がったことから、日本でも同じようなことが起きる可能性があることを狩野氏は示唆した。なお、チューブモーグルは現在、自社のプラットフォームとMzを連携させるテストを行っているという。
満を持してMzを投入したJストリーム。“来ている”と言われる動画広告市場をさらに盛り上げるための起爆剤になるかどうか、注目が集まるところだ。