「誰」と作れば愛されWebサービスができるのか
この連載も、いよいよ4回目となりました。第1回、第2回、第3回では、愛されWebサービスとその事例、理想のチームについてお話しました。
世の中でヒットしているサービスは、必ずと言っていいほど作り手の情熱が詰まっています。神は細部に宿る、とも言いますが、「ユーザーに使われる」サービスには、導線の1つひとつに作り手の想いが現れていると僕は考えています。
通常のキャンペーンを外部のパートナーや広告代理店に丸投げしていた企業さんでも、サービスとなるとそういうわけにはいきません。社内の人を含めて、関わる人全員がサービスに情熱を持つことが、成否を分けるのではないでしょうか。
チームには、ディレクター、デザイナー、エンジニア、プロデューサー、マーケターなど、様々な役割があります。これらを社内で揃えるか、外部のパートナーと一緒にやるか、複数の選択肢がありますが、企業がサービスをつくる場合は多くの場合、外部パートナーとチームを組むことになるでしょう。(第3回より)
かといって、社内にサービスづくりのプロがいない、というのは往々にしてあると思います。それでは、どのように仲間を集めればいいのか、やってはいけないことをベースに5つのポイントにまとめました。
1.「とりあえず、コンペじゃ~!」といって複数社に声をかける
社内で企画が出たり予算が決まったりすると、代理店や制作会社に声をかけて、コンペを実施するケースが多いのではないでしょうか。
実際、僕も代理店時代に制作や広告を含めたコンペに参加したことがあります。オリエンにドキドキしたり、前日にみんなで徹夜したり、結果発表の前日に眠れなかったりと、たくさんの刺激をいただいた記憶があります。
しかし、数年前から僕はコンペに参加することを辞めてしまいました。もちろん、メインの仕事が自社メディア作りに変わったというのもあるのですが、クライアントさんのお手伝いをすることがたまにあっても、コンペの場合はお断りしています。
なぜかといいますと、そもそも仲間を見つけるのにコンペは失礼なんじゃないかと考えているからです。一方的に提案だけさせて、採用されない企画もあります。企画そのものが流れてしまうこともあれば、コンペの時は魅力的な企画や体制を提案されても、実際にチームが稼働し始めるとボロボロだったり。。。
コンペは仲間作りの1つの形としてはありだと思いますが、僕はあまり好きではありません。あくまで理想は、依頼したいクリエイターがいて、1人ひとり、順番に声をかけていくことだと考えています。そこで初めて、信頼できるよいチームがつくれるのではないでしょうか。
そうは言っても、大きな企業だと社内フローの関係で複数社の相見積もりが必要なこともあるでしょう。その場合は、その部分だけ何社かに事情を説明し、とりあえずの見積もりだけ出してもらう、くらいの協力をお願いするのがお互いによいのではないかと思っています。