DMP運用のポイントとは?
DMP導入に対して二極化している理由は、トップの協力が得にくい、ROIを判断しにくい、また、データ投入の事前処理で相当な時間とコストがかかる、などが挙げられる。実際に現場での感覚として、DMP導入にまで踏み切れている企業は多めに見ても2割程度だという。解決策は、意外と業種などにはよらず、シンプルだと福岡氏。「アトリビューションの処理は複雑ではありますが、簡単に分析できるツールを導入し、仮説検証を回していくことを組織に染み込ませることが第一歩です。その運用を、トップまで含めてサポートできる仕組みをつくることが大事です」。
ネットで得られるデータ以外も組み込んで、マーケティング施策の効果測定をより精緻に行い、コンバージョンを高めていく。その際、これからポイントになる考え方が「カスタマージャーニー」だと福岡氏は話す。顧客が時系列でどのような行動を取ったのかを把握し、どの施策がどのように効いているかを見ることで、より効果がある施策を立案することができる。「アトリビューションを見るには非常に高度な処理が必要ですが、大事なのは使う人がごく簡単に扱えることです。これが現実的にDMPを有効活用してマーケティングをしていくポイントだと思います」。
IT部門に頼らないデータ活用を実現
福岡氏の解説を受けて中土井氏は、「データをまとめ上げて、実際にツールを使う現場の方が次のアクションを判断できるよう、インサイトを可視化することが我々IT技術者の役割」と語る。前述の「MotionBoard Cloud for DMP」はマーケティングの現場での使用を想定しているため、さまざまな環境のデータベースとの連携が可能といった特徴のほかに、さまざまな統計データやサードパーティーのデータがあらかじめ組み込まれている。
これまでIT部門などに分析やデータ抽出を依頼していたような状況を、こうしたツールを使って解消し、膨大なデータからインサイトを発見することこそ、今回の講演タイトルである「データドリブンマーケティング」だと言える。
最後に中土井氏は、ID-POSを扱うカスタマー・コミュニケーションズが有している分析手法「ABCL分析(R)」を紹介。同社とのアライアンスにより、この分析を用いた大規模な消費者パネル調査を「MotionBoard Cloud for DMP」を通して提供することができると解説した。5,000万会員のPOSデータから、食品スーパーのユーザー250万人、ドラッグストアのユーザー600万人から成るパネルを利用し、200ものカテゴリについて購買動向情報が活用できる。「このような大規模なデータベースを、マーケターの方々が使いやすい環境で提供し、ビッグデータからさまざまなインサイトを発見するサポートをしていきます」と中土井氏は展望を語った。
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