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宣伝費ゼロで合計300万DL突破アプリの施策裏話

きっかけは妻のある行動 宣伝費ゼロで合計300万DL突破!「My Heart Camera」「Pico Sweet」ができるまで

 本連載ではiPhone向け写真加工アプリ「My Heart Camera」「Pico Sweet」を提供するアンジーが、宣伝費をかけずに333万以上のダウンロードを獲得するまでの道を紹介します。今回はアプリ開発のきっかけやコンセプトワークに関するお話です。

宣伝費ゼロで300万ダウンロードを超えた秘訣

 こんにちは! スマホアプリや雑誌・書籍の企画制作を行う会社アンジーの森と申します。私たちが提供するiPhone向け写真加工アプリ「My Heart Camera」と「Pico Sweet」は、広告宣伝費はゼロにもかかわらず累計333万以上もダウンロードいただいています(2013年6月24日~2014年7月23日の数値)。

 ここでは弊社アプリが300万件以上もダウンロードされるために行った施策や、これからさらにユーザーを増やすための施策について紹介します。

女性ユーザー向けの写真デコレーションアプリ

 はじめに2つのアプリの概要を説明します。いずれも、女性ユーザーの利用を想定した写真加工ができるアプリです。フィルター効果や、装飾するための画像(スタンプ)を使ってかわいくデコれるアプリです。

 2つのうち、先にリリースしたのは、たくさんのハートのスタンプがウリの「My Heart Camera」で、2013年の6月です。リリース4日後には日本のApp Storeランキング・トップ無料の「写真/ビデオ」にて1位、総合でも10位を獲得しました。このアプリはその後3週間ほどで30万ダウンロードを突破し、現在では116万ダウンロードを越え、毎日2万~3万件起動されています。

 「My Heart Camera」からテーマを広げ、機能アップした「Pico Sweet」は2014年11月4日にリリース。こちらも、公開から4日で日本のApp Storeランキング・トップ無料の「写真/ビデオ」にて1位、総合では3位に躍進しました。

 リリースから2ヵ月弱で100万ダウンロードに到達し、現在では216万ダウンロードを越え、毎日7万~10万件起動されています。

基本機能は、フィルター効果とスタンプ貼り付けによる写真加工と、
作成した画像のSNSへのシェア
基本機能は、フィルター効果とスタンプ貼り付けによる写真加工と、作成した画像のSNSへのシェア

「My Heart Camera」の発案は、身近な人の行動がきっかけ

 私たちは、2011年からアプリ企画制作をはじめ、「My Heart Camera」を出すまで60本以上のアプリをリリースしていましたが、それらをあわせても30万ダウンロードに届かず、ヒットに恵まれない状態が2年半ほど続いていました。

 おもなアプリ開発担当は、アプリ事業を始める前はFlashやJavascript、PHPなどのWeb制作を行っていた川野辺くんひとり。彼は、奥さま(20代)とお子さん(もうすぐ2歳)がいるナイスガイ&パパで、彼の奥さまの行動から、「My Heart Camera」のアイデアが生まれました。

 ある日、川野辺くんの奥さまがSNSに投稿された写真を見て、その写真に付いていたハートのスタンプに心を奪われます。奥さまはもともと写真をデコレーションすることが好きで、そのハートのスタンプを自分でも使いたいと思い、さまざまなアプリを調べはじめました。

 ハートのスタンプをひとつ探すだけで、2~3時間もスマホを見つめ続けている奥さまの姿を見た川野辺くんは「いろんなハートが収録された、ハートに特化したデコアプリはニーズあるかも」と、ひらめいたのです。

 写真デコアプリというと、既に数千万ダウンロード級の先達がおり新作が出ては消えていく、いわゆるレッドオーシャンと思われている分野です。しかし、スマートフォンアプリは、必ずしも豊富な機能が要求されるわけでもなく、単機能であっても多くのユーザーを獲得している事例がたくさん見られることは知っていました。

 というわけで、写真/デコという、大衆(マス)に支持されている分野において、シンプルだけどうまく特徴を示せれば、先達の強豪たちとパイを奪い合わずにダウンロードが稼げるのではないかと考えるようになったのです。

既に多くのユーザーがいる分野において存在感を示せれば、
それなりのユーザー獲得が期待できる
既に多くのユーザーがいる分野において存在感を示せれば、それなりのユーザー獲得が期待できる

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2014/08/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/20590

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