One-to-Oneコミュニケーションチャネルのさらなる可能性
One-to-Oneコミュニケーションのチャネルはその他にも広がりつつあります。
インタラクティブなコミュニケーションとは言えませんが、オンライン広告もターゲティング配信することができます。例えばメールを開封しない顧客に対してディスプレイ広告を配信するといったシナリオは既に一部で実施されていますしFacebook広告のカスタムオーディエンスもそうです。
さらに今後可能性が広がるのはアプリのプッシュ通知だと思います。
アプリといえばスマートフォンやタブレット端末のアプリをイメージしますが、Google Glassやスマートウォッチのようなウェアラブル端末にもアプリが搭載されていますし、オンラインで繋がるあらゆるものにアプリが搭載されるはずです。

いわゆるIoT(Internet of things)の世界では、ウェアラブル端末や車はもちろん、冷蔵庫やテレビ、オーディオにも全てOne-to-Oneでメッセージを送ることになるでしょう。
これまでOne-to-Oneコミュニケーションのチャネルはフラグメンテーション(分裂・断片化)を繰り返してきました。電話によるアウトバウンドコールも紙のダイレクトメールも無くなった訳ではありません。
Eメールはこれからも重要なOne-to-Oneコミュニケーションチャネルの一つでしょう。そこにアプリのプッシュやLINEなどがさらに加わります。このフラグメンテーションは今後さらに勢いを増すはずです。
また、オムニチャネルという掛け声のもと、オンラインとオフラインをより深く連携する試みも今後活発になるでしょう。
企業は否応なく、さまざまなチャネルを通じて消費者とコミュニケーションすることになります。
全てのチャネルを通じて一貫したOne-to-Oneの顧客体験を提供しようとすれば、CCCMのような機能は必須になります(逆に、チャネル横断でOne-to-Oneの顧客体験を提供することが戦略的に重要でなければ、本格的なCCCMは必要ないかもしれません)。
本稿の冒頭近くで“CCCMは「クロスチャネル」にこそ意味がある”と書きましたが、それはOne-to-Oneコミュニケーションチャネルの拡大によって本来の意味でCCCMの機能が必要とされる時代になってきたからなのです。