ちなみに前回の内容をごく簡単に振り返ると……
- CCCMはクロスチャネルでOne-to-Oneコミュニケーションを実現するためのソリューション。
- One-to-Oneコミュニケーションには大きく分けると 1)過去のデータを使うもの、2)リアルタイムデータを使うものの2種類がある。
- 今後、2.のリアルタイムデータを使ったコミュニケーションがより重要になる。
こんな感じでした。今回は「クロスチャネル」という部分にフォーカスをあて深堀していきましょう。
CCCMは「クロスチャネル」でこそ真価を発揮する
この連載の第一回で、米国では「キャンペーンマネジメントシステム(CMS)」という呼称はあまり一般的ではなくて、「クロスチャネル・キャンペーンマネジメント(CCCM)」または「マルチチャネル・キャンペーンマネジメント(MCCM)」と呼ばれている、と書きました。
元々CCCMは、マーケティング担当者がダイレクトメールやコールセンター、あるいは店頭窓口なども含めた複数のチャネルを横断してマーケティング施策(キャンペーン)を企画・管理するためのソフトウェアとして導入されました。チャネル横断(クロスチャネル)でのキャンペーン管理が基本なわけです。
日本では「キャンペーンマネジメント=自動化」といったイメージが強いような印象がありますが、日本に紹介された時はまだ有効なチャネルも少なく、自動化機能の方に注目が集まって「クロスチャネル」「マルチチャネル」といった概念が抜け落ちたのではないかと思います。
One-to-Oneコミュニケーションのチャネルとは
一人ひとりにベストタイミングで最適なコンテンツを届けようとすると、必然的にコミュニケーションはOne-to-Oneになります。
しかし、そもそもOne-to-Oneコミュニケーションができるチャネルは限られています。
例えばプッシュ型のチャネルであるEメールとTwitter、Facebookを比較してみましょう。それぞれメルマガやTweet、投稿で自社のキャンペーンなどを一斉に告知することができます(ソーシャルメディアが盛んになった頃に何度も「Eメールマーケティングは終わった」と言われました)。
しかし3つの中で企業がOne-to-Oneコミュニケーションのチャネルとして使えるのはEメールだけです。
例えば自社の会員に最新のポイント残高をお知らせするときに、どんなチャネルが使えるかを想像してみるとよく分かります。TwitterやFacebookを使って個別のお知らせを送ることはできません。
現実的にOne-to-Oneコミュニケーションのために使えるプッシュ型のチャネルは、これまではEメールとダイレクトメールと電話くらい。オンラインではEメールだけだったのです。