米広告業界団体IABは、マルウェアによる犯罪増加や、詐欺的なトラフィックによって生み出される広告在庫の販売などに対処するためのガイドライン"Anti-Fraud Principles"を発表。デジタル広告のサプライヤー(SSP、エクスチェンジ、アドネットワーク、パブリッシャー)が守るべき原則を晃かにした。
1. 詐欺の検出(Fraud Detection):サプライヤーは、ボットや人間による不正な活動を特定するために、技術的かつ業務上の対策を実行し、こうした活動から生まれるトラフィックが販売されることを防がなくてはならない。
2. ソースの特定(Source Identification):サプライヤーは広告在庫の合法的なソースを示して、バイヤーに保証を与えなくてはならない。そのひとつの方法としては、ある広告のプレースメントをはっきり特定できるURLの提供などがある。
3. プロセスの透明性(Process Transparency):上記ふたつの原則を満たすために、サプライヤーは自身が行っているビジネス上、および技術的なプロセスの詳細を提供しなければならない。
上記3つの原則に加えて、IABは「アカウンタビリティの構築(Accountability)」も示している。というのも、「プロセスの透明性」の趣旨は、各社の詐欺検知やフィルタリングで使われている技術的な詳細や特定の戦術を公けにすることではなく、詐欺的なトラフィックを特定するのに用いる方法論の詳細を明らかにすること、さらに、業界のコンプライアンス(法令遵守)を促進し、それを監督するための効果的なアカウンタビリティ(説明責任)プログラムを生み出すことにあるからだ。
IABはこれらの原則とともに、Hijacked Device、Data-Center Traffic、AdWare Traffic、Proxy Traffic、Ad Tag Hijacking、Cookie-Stuffingといった用語を整理し、その定義も示している。
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