デジタルプラットフォーム向けのドラマ制作で知られるWIGSが新会社Indigenous Mediaを立ち上げた。WIGSは2012年、映画『ブラック・スワン』のエグゼクティブ・プロデューサーであるJon Avnetと、Rodrigo Garcia、Jake Avnetの3名が立ち上げた。彼らは制作したドラマ・シリーズをすべてYouTubeのチャンネルと自社サイトwatchwigs.comで公開し、一部のシリーズをHuluとHulu+、FOX NOWに提供している。
このデジタルコンテンツの手法をさらに推し進めるため、彼らはロサンゼルスに新たなデジタルコンテンツスタジオ「Indigenous Media」を設立。デジタルプラットフォーム向けの30分番組と1時間番組のシリーズの制作にフォーカスする。
この新会社に、英国を拠点とするグローバルエージェンシーWPPと英国最大の民間のテレビ局ITVも出資。両社は広告と配信に関して協力し、ブランドスポンサーと複数のプラットフォームでの配信が可能なコンテンツづくりをサポートする。
WPPは、デジタルビデオのような成長の早い重要なセクターに投資を続けている。2007年には、デジタルプラットフォーム向けのコンテンツとして初めてエミー賞を受賞したNetflixの「House of Cards」シリーズを制作したMRC(Media Rights Capital)、2011年には若者向けのオンラインコンテンツの制作、配信、マネタイズを行うVICE、2013年にはYouTubeのチャンネルネットワークを運営するFullscreenに出資。Fullscreenのネットワークを通じて動画を楽しむ人は3億7500万にも上っている。
WPPはこのほかにも、映画制作会社The Weinstein Company、EDM(Electronic Dance Music)のイベントのプロデュースやコンテンツ制作を行うSFX Entertainmentなどにも出資している。
WPPのデジタル収益は2013年に60億ドルを超え、同グループ全体の収益の約35%を占めている。WPPは今後5年間にこの比率を40~45%に高めたい考えだ。
※編集部注:
「同社のネットワーク」を「Fullscreenのネットワーク」に修正しました。(2014.9.18)
「英国最大のテレビ局ITV」を「英国最大の民間のテレビ局ITV」に修正しました。(2014.9.19)
【関連記事】
・Netflix、会員数が5000万人突破、オリジナル番組にも注力
・uuumとブルーカレント、YouTuberの戦略PRサービス活用でパートナーシップ提携
・米国10代に影響力のある人物トップ5はすべてYouTuber、ハリウッドセレブと人気を二分
・米ウォルト・ディズニー、YouTube動画ネットワークのMaker Studiosを買収
・Hulu、Netflixに続いてAmazonもドラマ制作に本腰