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統括編集長インタビュー

「過去50年で最大の環境変化。マーケティングを“経営ごと”へ」アドビ佐分利新社長インタビュー


 2009年にオムニチュアを買収し、デジタルマーケティング事業を本格的に推進しているアドビ システムズ。今年より、日本にてその旗振り役となるのが、マーケターのバックグラウンドを持ってこの7月にアドビ システムズ 株式会社のトップに就任した、佐分利ユージン代表取締役社長だ。「マーケティングの“経営ごと化”を推進していきたい」と語る氏は、現在の見通しと今後の戦略をどう考えているのだろうか?

アドビのマーケティング予算は7割がデジタル

押久保:マーケターのバックグラウンドをお持ちの佐分利社長がトップに就任されたことは、アドビ システムズ(以下、アドビ)のマーケティングが一層加速しそうだいう印象を業界に与えたと思います。今や、デジタルが関与しないマーケティングはあり得ないと言ってもいいくらいの状況ですが、かつてのマーケティングと比べて何がいちばん変わったとお考えですか?

佐分利:まず顧客の視点から考えると、接触している媒体そのものが変わりました。紙やテレビなどに加えてデジタル端末が普及し、特に若い世代では接触する媒体の7割近くが液晶だとも言われています。となると、もはやデジタルは「標準化」しており、不可欠です。

アドビ システムズ株式会社 代表取締役社長 佐分利ユージン氏
アドビ システムズ 株式会社 代表取締役社長 佐分利ユージン氏

 企業の視点でも、これまでは営業がOne to Oneのコミュニケーションを担い、マーケティングはOne to Manyのコミュニケーションを得意としてきました。ただし、常時継続するのは難しかった。多様性があり、常に身近な存在のデジタル媒体を使えば、One to Manyのリレーションを維持できます。

 例えば今アドビは、マーケティング予算の7割をデジタルに当てています。これは極端かもしれませんが、欧米の一般的な企業は3割は割いていますね。

 当社の調査では、多くのマーケターが「この2年で過去50年よりも大きく変革した」と感じており、私も同感です。顧客の環境やマーケティングでできることが変わったのなら、マーケターも既存の発想を捨て、新しい思考やスキルを身につける必要があります。場合によっては世代交代もあるでしょう。

非構造化データを含めたデータ活用が肝要

押久保:大きな変化の1つがデータの取得が可能になったことだと思います。今年はDMPに注目が集まっておりますが、活用の進み具合についてはどんな所感をお持ちですか?

佐分利:かつて「データベースマーケティング」という言葉があったとおり、概念としては目新しくないですし、日本でもそれなりに顧客データベースが活用されてきたと思います。

 ただ、ポテンシャルはまだまだありますよね。購買履歴、サポート部門に蓄積された情報、CRMやERPシステムの情報などと統合すれば、膨大なインサイトが得られます。そして、的確なタイミングで的確なオーディエンスへ的確なオファーをする。DMPはそれを行うための一手段です。

 特に注目すべきなのは、非構造化データです。今、どのソーシャルメディアもAPIを公開していますので、それを有効活用することでアプローチの精度も高まると思います。

押久保:確かに、そうですね。構造化データだけの場合と比べて、各段に得られるインサイトが多くなる。

佐分利:ええ。例えば、個人のソーシャルスコアを統合的に参照できる「Klout」というサービスがありますが、これを使ってラスベガスのあるホテルでは、予約時に顧客の嗜好やニーズを把握し、チェックインの際にはその人向けの情報を提供しています。

 当社でも、Adobe Media Managerという製品を提供しており、非構造化データも含めた顧客情報の分析には力を入れています。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/06/18 16:05 https://markezine.jp/article/detail/21114

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