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イベントレポート

パブリッシャーはプログラマティックにより変革できるのか。収益最大化のカギは”真のSSP”にあり


 10月24日、米国ニューヨークにおいて、米PubMatic社主催のプライベートカンファレンス「AD REVENUE 2014」が開催された。プログラマティック市場の今後について興味・課題を持つ、約400名の世界各国のマーケターやパブリッシャ―が集った。同イベントから、プログラマティックの現状と展望について興味深いデータが示されたセッションをレポートする。

劇的に変化するプログラマティック市場の今を知る

 大手パブリッシャー向けにSSP「PubMatic」を提供するPubMatic社は、米国シリコンバレーにて2006年に設立。2009年にRTB市場が立ち上がると、先駆けてSSP事業へ参入し、2010年には早くもヨーロッパへ進出を果たした。その後も積極的にグローバル展開を進め、2014年初頭に日本にも進出している。日本法人の社長には前川洋輔氏が就任し、またソネット・メディア・ネットワークスと手を組み、日本での展開を進めている。関連記事はこちら

PubMatic社 Co-Founder & CEO Rajeev Goel氏
Rajeev Goel氏からは、新サービス「PubMatic Anailtics」が発表されました◎

 そんなPubMatic社は、過去6年間にわたり、プライベートカンファレンス「AD REVENUE」を開催している。今年は10月24日(現地時間)に、米国ニューヨークで開催。今後のプログラマティック市場はどう変化していくのか、といった課題や興味を持つ業界関係者が、バイサイド/セルサイドの立場を超えて、世界各国から400名ほど集った。

カオスマップ作成者として知られている、Terry Kawaja氏も登壇していました!
LUMA Partners社 Founder & CEO Terry Kawaja氏

パブリッシャ―が直面するプログラマティックによる変化

 同イベントに先駆けて、PubMatic社 Global Chief Revenue OfficerのRob Jonas氏に、プログラマティックの現状についてうかがうことができた。「注目すべきは、プログラマティックの変化のスピードが非常に目まぐるしく、デジタルメディアがかつて経験したことのない早さで進んでいるということだ」とRob Jonas氏は指摘する。

 eMarketerの調査データによると、米国市場では2017年までに全てのデジタル広告のうち、約80%がプログラマティックになると予測されている。その内訳は、大きく2つの分野に分けられる。ひとつはRTBであり、これは多様な買い手と売り手が、オープンに在庫を売買して入札取引が行われるものだ。2011年には11%にすぎなかったが、2017年には50%を超えると予測されている。そしてもうひとつは、Non-RTB programmaticである。こちらも自動化された売買であるが、オークション(入札)は行わない取引のことだ。

参照:eMarketer「Programmatic Ad Spend Set to Soar」

 そして、プログラマティックに取り組むに当たり、パブリッシャ―がぶつかる課題を4点ほどRob Jonas氏は提示した。

1、fragmentation digital media consumption

 3~4年前には、モバイルの重要度はそれほど高くはなかったが、今日ではグローバル規模で非常に重要な要素となっている。同時にビデオ、ネイティブ広告等の重要性も増している。そして、今や消費者はマルチスクリーンで、複数のデバイスを同時に使っており、彼らがコンテンツにアクセスする手段は年々多様化している。

2、complex ecosystem

 エコシステムに加えて、それをサポートするテクノロジーそのものが複雑になっている。パブリッシャーとしては、一つのソリュ―ションで、または一つのプラットフォームで、その複雑さを全て解消したいと考えている。

3、need right technical expertise

 テクノロジーの重要度が増すに伴い、パブリッシャ―側は様々な専門知識が必要になっている。これまでとは異なる知識・人材が必要になってくる。

4、sales channel management

 今、米国のパブリッシャ―は、データアナリストやデータサイエンティストといった人材を既存の広告営業よりも重要視して、採用する必要性を感じている。これは市場において、どのように広告を売るかということに深く関わってくる。

 これらの課題を解決するためには、テクノロジーやデータの専門知識を持つ人材の採用、最新の技術を適切に活用できるプラットフォームの導入、プログラマティック広告取引を実行するための最適なプロセス・チームの構築などが必要となる。PubMatic社としては、これまで7年間に渡りパブリッシャ―をサポートして培ってきたノウハウをもとに、プログラマティックの恩恵をパブリッシャ―が受けられるように支援していくという。

 では、「AD REVENUE 2014」において、プログラマティックの現状と展望について興味深いデータが示された「Research Presentation:The Global State of Programmatic」のセッションを紹介しよう。

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/10/31 18:05 https://markezine.jp/article/detail/21249

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