クロスチャネル運用でマーケターがさらに進化する
検索連動型広告やディスプレイ、モバイル、ソーシャルなどチャネルの多様化が進むオンライン広告。購買者が複数のチャネルで広告に接触する率は、いまや65%に上るという。消費者が様々な接点を経て購買意欲を高めていることが伺える。そうした状況下でマーケターは多彩なチャネルに対応し、クリエイティブなどの一貫性を担保しながら、より高い効果を目指して最適化することが重要となる。しかしながら、「その運用の多くは未だに『人手』に任されており、それも『チャネルごと』というのが実情」だとジェイ氏は語る。
「オンライン広告プログラムの操作は単純作業を含むものであるため、多くの広告主や代理店では人海戦術で運用していることが多いようです。しかし、オンライン広告が複雑化するにつれ、人為的なミスも発生し、生産性を著しく低下させる恐れがあります。膨大なデータを分析して迅速に最適化することは、ますます難しくなっています」(ジェイ氏)
この現状に1つの解を提供するのが、マリンソフトウェアの「統合型広告運用プラットフォーム」だ。日々劇的に進歩を続けるオンライン広告技術に対応するために、売り上げの29%を研究開発に投資しているという。オンライン広告運用ツールの世界的リーダーである同社は、具体的にどのような価値をもたらすのだろうか。
「これまで様々なアドテクノロジーツールが登場しましたが、ディスプレイ運用だけ、ソーシャル運用だけというようにサイロ化され、限定的な運用でした。そのため、市場のニーズとテクノロジーの間にギャップが生じていた。一方、マリンソフトウェアは“ニュートラルでオープン”を開発思想として持っています。多彩な広告の効果測定ツールと連携して、あらゆるデータを取り込み、必要な分析を行って自動的に広告を最適化します。単調で付加価値の低い作業は、もはや人間が行う必要はありません。テクノロジーの活用は、付加価値の高いクリエイティブな業務に多くの時間とリソースを投資する事を可能にしたのです」(ジェイ氏)
コンバージョン指向からオーディエンス指向へ
「現在のオンライン広告では、いまだにコンバージョン率などの数字ばかりが意識される傾向にあります。ですが、本来オンライン広告の最適化を考える上で最も考慮すべきは“ユーザーエクスペリエンス”です。一人ひとりの顧客について、どのような導線でどんな情報に触れれば、自社の商品を選んでもらえるのかを考える必要があります」(ジェイ氏)
マリンソフトウェアが強調するのは、“オーディエンス(ユーザー)ベース”であることの重要性だ。得られたユーザー属性データをもとに、ターゲットとするユーザーに配信する広告を広告主自ら購入する。そのためには「どのキーワード、どのディスプレイ広告の成約率が高いのか」ではなく、「成約率の高いキーワードに惹きつけられるユーザーはどのようなプロフィールなのか」といった情報が重要になる。
「例えば、キーワードのパフォーマンスが良くても利益が低いケースがあります。このような時は、自社やサービスに合わないユーザーに広告を配信している可能性があります。そうしたミスマッチを解消し、予算の最適化を図るためには、DMPやクロスチャネル・クロスデバイスでの分析を行うプラットフォームなど、多彩なツールと連携して現状を多面的に捉えることが必要です」(ジェイ氏)
当然ながら、最適化に活用されるデータは多岐にわたる。検索、ソーシャル、ディスプレイチャネルなどから得られる広告配信データの他、自社が保有する購買データや外部から提供されるデータなどが挙げられるだろう。マリンソフトウェアの場合は、提携しているSalesforceやDouble Click、Google Analyticsなどのデータ、さらに天気予報までも取り込むことが可能だという。
「これからは情報を活用できた者が、競争を勝ち抜くと言っても過言ではありません。欧米の広告主の動きを見ていると、運用は外部化してもデータは自社で握り、将来における広告最適化のための情報基盤とする傾向があります。日々作新される我々のテクノロジーを広告主、代理店の皆さんに活用頂ければと思います」ジェイ氏は力強く締めくくった。