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2013年度通販事業者総売上高は2兆円超/アスクルが売上高トップ企業に君臨【帝国データバンク調査】

2015/03/10 10:30

 帝国データバンクが実施した通信販売事業者の動向調査から、2013年度の総売上高は前年度比3.2%増で約2兆1,161億円となり、売上高トップは約2,103億円でアスクルとなった。なお、アマゾンジャパンは業績非開示により対象外。

 カタログやテレビ、ラジオなどの媒体を用いて、消費者へPRすることで販売につなげる通信販売業者。既存メディアに加えて、インターネット市場が目覚しい成長を遂げ、近時ではスマートフォンやタブレットの普及でネットを介した通信販売が消費者に浸透し、マーケットが拡大している。外出しなくても買い物ができるなど利便性が高く、わが国の高齢化が進むなかでシニア層を中心に通信販売の利用者数は増加が見込まれるほか、これに対応する形で通販業者では配送の効率化を進め、物流システムが発達してきている。

 このような社会状況のもと、帝国データバンクは通信販売を専業とする、売上10億円以上の企業で2011年度(2011年4月期~2012年3月期)から2013年度(2013年4月期~2014年3月期)の売り上げが判明した174社の動向について、集計・分析を行った。

※2013年7月にディノスとセシール、フジ・ダイレクト・マーケティングが合併。売上高及び前年度比は親会社発表の数値を集計。
※総合通販サイトを運営するアマゾンジャパンは、業績非開示により対象外。

2013年度の総売上高は前年度比3.2%増で約2兆1,161億円

 直近3期の売上高が判明した174社の通信販売業者の総売上高を見ると、2013年度は約2兆1,161億円となり、前年度を3.2%上回った。2012年度に続き、2期連続で前年度を上回り、2012年度の0.5%増から増加幅が拡大した。テレビや新聞など既存メディアによる広告媒体での販売は伸び悩んでいるものの、スマートフォンやタブレットの普及によりネット通販が浸透し、通販市場は拡大した。加えて、消費税率引き上げの駆け込み需要により利用者が増えた。

品ぞろえ拡充で増収したアスクルが売上高トップ企業に君臨

 通信販売業を専門とする174社のうち、2013年度の売上高上1位は、事業所向けオフィス用品の販売・配送サービスを手がけるアスクル。中堅・大企業向け購買システムが伸長したことほか、ウェブサイト上での事務用品やOA機器などの品揃え拡充が奏功した。

 2位の家電製品を主体とするジャパネットたかたは、地デジ移行により薄型テレビの買替需要が大きく減退した2012年度から、社長の進退を賭けて臨んだ2013年度に白物家電を中心にエアコンや布団専用掃除機などの販売に注力し前年度を21.6%上回る大幅増となった。

 一方、「ベルメゾン」としてカタログ通販をメーンで行っている千趣会が前年度比3.1%減、「ニッセン」「スマイルランド」「テセラ」などのカタログを発行しているニッセンが同12.3%減となるなど、カタログ系婦人服業者が前年割れとなった。

急速な円安でアパレルが苦戦

 通信販売業者174社を取扱品別に区分し、その総売上高を見ると、最もシェアが高かったのが多品目の製品を扱っている「総合」で約7,044億円。前年度比2.3%増となり、大手を中心に積極的な商品投入やキャンペーンを開催することで売り上げを拡大し、2期連続の増加となった。このほか、法人が利用するコピー用紙やデスク用品などを扱う「オフィス用品」(前年度比5.2%増、総売上高約3,215億円)、健康食品・飲料や地産品を扱う「飲食料品」(同3.7%増、同約2,827億円)、生活家庭用品やインテリア用品を扱う「家具・家庭用品」(同5.2%増、同約747億円)も同様にそれぞれ2期連続の増加となった。

 また、「電化製品」は、2012年度に地デジ完全移行に伴い薄型テレビ需要が大幅に減退したことで前年度を19.9%下回る1,509億円に急減。主力製品を他の家電製品にシフトすることで2013年度は前年度比17.8%増の1,778億円に持ち直した。一方、「衣料・アクセサリー」では、円安の影響で輸入コストが増加し、採算の悪化から製品企画自体を断念したケースが散見されたほか、ネット媒体をメーンとする新規参入業者が増加したことで競争が激化。2013年度の総売上高は約4,182億円で、前年度比で2.9%落ち込むなど苦しい事業環境を余儀なくされた。

まとめ

 通信販売業者174社の2013年度の総売上高は、前年度を3.2%上回る約2兆1,161億円で、2012年度の0.5%増から対前年度増加率と比較して増加幅が拡大した。通販業者各社は、インターネットの普及、そして、スマートフォンとタブレットの利用者増加を背景にネット通販への取り組みを強化し、商品ラインアップを増やすとともに、新商品の入れ替えを活発化することで顧客獲得に取り組んでいる。

 一方で、消費者の節約志向・低価格志向は依然として根強いほか、大手の流通業や小売業、メーカーなど各方面からの新規参入事業者の増加により、新規顧客獲得競争、価格競争、商品開発競争が過熱するなど、経営環境は一段と厳しくなっている。多くの通販業者の売り上げが増収基調にあるなか、生産拠点が海外で円安の影響を受けやすい衣料・アクセサリーをメーンに扱う業者の売り上げが前年度を2.9%下回るなど、苦しい経営環境を余儀なくされている。通信販売業界は、長期的に市場拡大が見込まれるものの、同業者間での顧客獲得競争はより一層激化していくものと思われる。

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