生活者の生の声をリアルタイムで手に入れる『ミルトーク』
企業がユーザーと交流しながらリアルタイムで意見やアイデアを集めることができる、業界初のユーザートークサービス『ミルトーク』だ。
このミルトーク、例えるならばインタビューやグループインタビューが気軽にインターネット上で行えるようになった形だ。グループインタビューとは、ターゲットに合わせて集めたモニターの意見を、主催者が座談会形式でうまく抽出する形で取材する調査。座談会の進行にはテクニックを要するため、調査会社を介するのが一般的だ。しかし、その分、企業とモニターの距離が遠くなるうえに、準備にも手間をとるため気軽に行うことは難しい。だがミルトークでは、そういったモニターの生の声に、企業の担当者自身がいつでも気軽に、よりたくさん触れられるのだ。
実際にサービスリリースに先立ち、会員企業57社の協力を得てテストを実施。具体的には、パナソニックの広報チームでは、ロボット掃除機「ルーロ」リリースの効果測定にミルトークを活用した。リリース直後の消費者の反応を確認するために、ミルトークで生の声を集めてリリース効果を検証した。またリクルートベンチャーズは、新規事業の企画段階での生活者ニーズを集める際にミルトークを活用したという。
生活者の生の声をリアルタイムに集める3つの主要機能
1、掲示板『きいてミル』
2、モニタと直接会話出来る『トークルーム』
3、生活者の声から気づきを得る『きょうのひとこと』
現在の主要機能は3つ。まず企業が作成した掲示板に、モニターが生の声を残していく『きいてミル』。「今、欲しいものは何?」「この商品、この価格だと買いたい?」などと、例えば商品開発途中で出てくる疑問をモニターへぶつけることができる。次に、企業がモニターとリアルタイムで直接会話ができる『トークルーム』。気になる意見を投稿している人や、特定の人とじっくり話したいときに、チャット感覚でやりとりができる。そして、ミルトークの参加者がリクエストや意見を、自由に投稿している『きょうのひとこと』。「こんなサービスがあったらいいのに」など日々感じていることが時系列に並ぶフィードだ。
ミルトークに参加しているのはマクロミルモニターなので、性別・年齢・職業・居住地なとで対象者を絞り込むことができる。また通常のアンケート回答内容での対象者スクリーニングに加えて、投稿内容も専任担当者が常時パトロールしているので、掲示板が炎上したりせず、質の良いコメントが短時間で集まることも大きな特徴だ。
ミルトークを実際に使って、ユーザーと話してみた
ミルトークの利用登録はサイト上で簡単にできる。法人名や住所、電話番号、担当者名などを入力すると、仮登録が完了。登録するとマクロミルから利用確認の電話がかかってくるが、サイト上の品質管理をするためだという。その電話をもって登録が完了し、サービスを利用することができる。ではさっそく、3つの代表的な機能を実際に使ってみよう。
『きいてミル』で掲示板を作成する
まず『きいてミル』で掲示板を作成する。とはいえ、トップ画面から遷移できる掲示板作成画面で、タイトルと内容を入力してカテゴリを選び、利用規約に同意すれば完成。実に簡単だ。その後、数分で投稿が始まり、あっという間に回答が集まる。このスピード感も、面倒なリサーチへのハードルを下げてくれる大きなポイントだ。
また、作成画面でその都度有償オプションをつけることもできる。一つは機能拡張オプションパック(※税抜30,000円/1掲示板)。無料プランでは、モニターの書き込みは1掲示板につき100件までの制限があるが、これが無制限になる。また、参加するモニターの条件を、年齢や性別、都道府県、未既婚、子供の有無、職業、年収など様々な属性で絞り込むこともできるようになる。またオプションパックを利用すれば掲示板情報のCSV出力が可能になるのも便利だ。
さらに、参加可能なモニターに対して、掲示板が作成されたことをメールで知らせることができたり、コメントをダウンロードできるようになったり、掲示板がサイト上でユーザーの目に止まりやすくなるようデザインを変更したりと、より効率良くリサーチができるようになるのだ。もう一つは掲示板非表示オプション(※税抜10,000円/1掲示板)。こちらは、他の法人アカウントや未ログインユーザーからの閲覧ができなくなるので、デリケートな商品についての話題の場合は便利だ。
※2015年5月現在の価格です。料金は予告なく変更する場合がありますので、予めご了承ください。
掲示板を作成してから、30分程度で約50のコメントがつきました。回答スピードの早さにも驚きましたが、記入されるコメントの質も的確でした。また回答者の年代と性別もわかるのはとても便利です◎実際に作成した掲示板はこちら。
作成した掲示板では、質問を投げっぱなしでモニターから回答を待つだけではなく、書き込まれた回答に対して、「ありがとう」と「わかる」といったスタンプも押せるソーシャルメディアのような機能もある。さらにそのスタンプの有無や数でソートをかけることもできるので、よりたくさんの共感を得た意見を探すこともできる。
「きょうのひとこと」をチェック
ここでは、ミルトークの参加者が、日々の生活の中で感じた商品やサービスに対するリクエストを、タイムラインに自由に投稿している。様々な属性の人の書き込みがたくさん連なっているので、自社の商品開発やサービス向上のヒントを見つけられるかもしれない。
気になるユーザーを招いて、ウェブ上でグループインタビューを実施
「トークルーム」で気になるユーザーと直接会話する
掲示板で良いコメントを残してくれたりして気になるユーザーがいれば、最大10人までトークルームに招待してやりとりができる。この機能は有料だが、リアルタイムで双方向のコミュニケーションが取れるので、課題についてより多くの詳しい意見を集めることができる(※税抜60,000円/1ルーム)。従来のグループインタビューは、調査会社を通して質問を投げるため、質問項目が形式的で堅い表現になりがちだが、トークルームはスタンプ等を使いながら、気さくにリラックスした雰囲気で調査できるため、より素直な意見を吸い出しやすい。会話のデータは、CSVで出力することも可能だ。
※2015年5月現在の価格です。料金は予告なく変更する場合がありますので、予めご了承ください。
定性調査にイノベーションを。そして、ユーザーイノベーションへの挑戦
取材当時、リリースしてから約1ヶ月半で500社以上の方が利用している。ミルトーク事業責任者である中野崇氏にサービスにかける想いを聞いてみた。
「従来のFGI(※1:フォーカスグループインタビュー)・DI(※2:デプスインタビュー)では予算100万円以上、スケジュールは1ヶ月必要など、実施における手間とコストが大きな課題になっていました。ミルトークは従来型定性調査の費用を1/10程度に抑え、スケジュールを大幅に短縮できます。ネットリサーチが世の中に登場した時と同じようなイノベーションを再び実現したい。またミルトーク上には日常に埋もれているちょっとしたアイデア・ヒントが数多く集まっています。そうしたアイデアの種を見逃さず、一緒に大きく育てていくという、ユーザー主体の商品開発(ユーザーイノベーション)を支援するメディアとしての価値も大切にしたいと思っています」(中野氏)
※1:数名のグループの調査対象者に対し、モデレーター(司会者)がインタビューすること。
※2:対象者とインタビュアーによる1対1の面談式インタビューのこと。
また、マクロミルは一昨年10月に『Questant(クエスタント)』というセルフアンケートツールをリリースしている(『Questant』の紹介記事はこちら)。Web調査のリーディングカンパニーであるマクロミルが、調査会社を介さないセルフ型サービスを立て続けにリリースしている。この挑戦こそがイノベーションを生む秘訣かもしれない。
インターネット環境やソーシャルメディアの浸透により、企業と生活者のコミュニケーション手法は多様化し、また身近なものになってきている。企業とユーザーのコミュニケーションを促進する新しいサービスであるミルトーク、ぜひこの機会に使ってみてはいかがだろうか。