従来のプロセス自体を変えてしまえばいい
そこで、同社が行き着いたものがペーパーレス化だった。紙の代わりにビジネスシーンでも利用が増えている、タブレットを活用することで時間的なムダを排除することができる。「そもそもアンケート用紙や会員登録用紙を、集めたり送ったりする作業があるため、納品までの時間が延びてしまうのです。それならば、そこをショートカットすればいい。しかし、手書きのニーズもあるため、その機能もつけて、どんな方でも使えるインターフェイスにしました」(野坂氏)
また、紙を使わないため、各店舗で取ったアンケートを本部に送付する際のコストも不要となる。タブレットさえ置けば、送信ボタンを押すだけで、瞬時に本部へ送ることができるのだ。
またKAMIMAGEの場合、データの入力もshuftiを通して、速やかに在宅ワーカーによる入力が始まる。約12万人が対応するため、大量のデータ入力依頼が来たとしても、ごく短い時間でデータ化は終了する。「これまでの、プリントをつくって、配布して、記入してもらって、回収して、入力会社に渡して、1週間かけて納品、という長いプロセスが大きく変えられます」(野坂氏)
BPOによる15,000件以上の入力業務に対応したからこそわかる、確かなユーザーニーズを基に、サービスは設計されているのだ。
顧客の取りこぼしを防ぎ、売り上げに直結させる
KAMIMAGEには、マーケターが歯がゆい思いをしがちな、顧客やニーズの取りこぼしを防ぐ効果もある。同社の調査によると、紙とタブレットの記入率を比較した際、タブレットの方が約1.5倍記入されやすいと結果が出ているという。
また、よりダイレクトな機会損失の防止にも効果を発揮する。例えば、アパレルショップの会員登録は店頭で完了せずに“自宅に戻ってから、ネットで登録する”ケース。会員カードは受け取ったものの、結局そのまま放置してしまった、という経験をしたことはないだろうか?
「店頭にKAMIMAGEを設置することで、簡単に登録を完了させられます」と星氏。さらに、タブレットを利用するため、入力後に簡単なゲームを用意して景品を提供したり、タップで商品の説明を表示させたり、動画を流したりと、紙では実現できないコンテンツの提供も可能だという。「単純な回答率や登録率のアップだけではなく、最終的にエンゲージメントにつなげることも可能なのです」(星氏)
もちろん、企業が運用する既存システムとの連携も可能だ。KAMIMAGEで入力されたデータと、自社のCRMを連携させれば、さらに幅広いデータの利用が実現する。