電通は、東アジアの5エリア(北京、上海、香港、台湾、韓国)を対象に、「訪日観光客のお買い物調査を実施した。これは、過去1年以内の訪日経験者に、購入商品、購入場所、接触メディアなどの動向を調べたもの。今回の調査で以下のことがわかった。
一人あたりの支出総額が1年で55.7%増加
訪日観光客数は年々増加傾向にあるが、一人あたりの支出総額(交通・宿泊費、買い物、レジャー、飲食費、その他合算)も増加傾向にある。2014年春と2015年初旬を比較すると、256,783円から399,878円へと約1年間で55.7%増加している。旅行支出総額が100万円以上の人は全体の4.0%。特に北京・上海では約10%を占めるなど、日本への旅行で多額を費やしていることもわかる。
買い物平均支出額は2014年春と2015年初旬を比較すると、約1年で88,767円から170,004円とほぼ倍増している。訪日観光客のうち4.1%は買い物だけで50万円以上を消費し、。特に北京・上海は他エリアと比べ買い物支出額が多く、10人に1人が買い物で50万円以上を消費している。
同一カテゴリーの商品を6個以上購入する人の割合は、約1年前と比べ13カテゴリー全てで増加。購入する商品の数が増えたことも、買い物平均支出額の増加の要因になったと考えられる。
家族・友人のために商品購入は平均67.0%
日本で商品を大量購入する「爆買い」が話題になっていまるが、買い物の目的で、自分のものを購入する(62.7%、全13カテゴリーの平均)に対し、家族・友人のために購入する(67.0%、同)の割合が高く、「爆買い」の背景に他の人のために買う消費行動「やまわけ買い」があることが分かった。
日本に対して「商品・サービスの質が高い」「自国よりも商品が安く購入できる」などのイメージが増加していることも後押しして、単価の高い商品5カテゴリー(家電製品、AV・音響機器/スマートフォン・タブレット、家具、装飾品・宝飾品、ヘルスケア・化粧品)でも「やまわけ買い」を行う観光客は約1年前と比べ増加している。
商品カテゴリー別に購入の有無を聞いたところ、5エリア全体でのランキングトップ5は、「食料品・飲料」「ヘルスケア・化粧品」「衣服」「装飾品・宝飾品」「家電製品」の順となった。エリア別で見ると、北京・上海では「家電製品」「ヘルスケア・化粧品」「装飾品・宝飾品」などの高額商品が上位であるのに対し、香港・台湾では「医薬品」が上位に入っている。
インバウンド効果は地方へも波及
ツアータイプが団体ツアーから個人アレンジの訪日観光へとシフトしており、訪日観光回数が3回以上のリピーターも増加している。観光エリアも和歌山の高野山や広島の厳島神社、静岡の御殿場などへの訪日観光客が増加しており、インバウンド効果は首都圏から地方にも波及していると考えられる。
【調査概要】
目的:訪日観光客の「お買いもの」全般に関する消費活動の実態を把握する
対象エリア:東アジア5エリア(北京、上海、香港、台湾、韓国)
調査手法:インターネット調査
対象者:20~59歳男女で、「直近1年以内の日本旅行者」かつ「訪日目的がビジネス以外の人」
サンプル数:エリアごとに400ss、計2,000ss
調査期間:2015年3月10日(火)~18日(水)
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