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マーケターはデータが持つ機会創出の力を引き出せているのか【データテクノロジーに関する調査】


日本企業がとるべき次なる戦略とは/Turn社の見解

 本レポートの発表に際して、Turn社 マーケティング、シニア・バイス・プレジデントのPaul Alfieri(ポール・アルフィエリ)氏は、「マーケターは、すべてをこなす統合的なテクノロジーを利用するか、あるいは機能特化型のソリューションを複数利用するかという選択肢の間で、若干意見が分かれていることがわかりました。興味深いことに、いずれの場合であっても、マーケターが優先する機能と特徴は、全体としては統合的されたテクノロジーを利用するという選択肢によって解決されます」という。

 「統合的なデジタルマーケティングハブとは、すべてのキャンペーンの計画、実行、および分析を行う中央集権型のソリューションをマーケターに提供します。その一方で、マーケティングオートメーションなど、他社による優れたシステムに容易に接続して利用できる柔軟性も兼ね備えています。本レポートは、データの供給源が拡大を続けるにつれて、データマネジメントがマーケティング組織内で中心的な役割を果たすことを明確に示しています。全世界的に、本レポートはその分野に精通したマーケターが既に開始している、オーディエンスデータをデジタルキャンペーンの中核に置くことを立証しています」(Paul Alfieri氏)

 そして同社 カントリーマネージャーの佐藤瑛人氏は、「本レポートにおいて明らかとなったマーケターが直面する課題は、全般的には米国でも日本でもその多くが共通していると言えます。しかしながらデータの供給、特にサードパーティのデータの流通は、日本では限られているため、マーケターの取りうるオプションも必然的に異なるでしょう。より洗練されたマーケターのための次の展開は、セカンドパーティデータの柔軟な利用、つまり自社にとって関係性の深いデータを保有している潜在的なパートナーと個別に提携することによってもたらされると考えられます」とコメントを発表した。

総論

 今日、広告およびマーケティングは、近年の歴史上かつてないほど、「プログラマティック」「ネイティブ」「モバイル」「オムニチャネル」「ビッグデータ」といった変革的領域を活用したいというニーズが高まっている。これらの領域は、データや利用可能なメディアをより適切に、より影響力のある方法で使用すれば、既存のパラダイムを覆すことができると期待されているものの、いくつかの流行語はバズワードにとどまっており、消費者の大部分に対するエンゲージメントや即応性の活性化という面では、依然としてその価値を検証する段階にある。

 そして、データの結集、管理、標準化、移送のためのさまざまな手段を提供する新しいツールが多数登場している。ツールやデータが断片化した状況は、長期的には小規模で管理可能な数のプラットフォームに集約されていくだろう。とはいえ短中期的に見ると、「統合」型および「独立」したプラットフォームの依存に特徴付けられる市場であり、どのモデルが最善なのかに対する明確な答えはまだない。だからこそ、ビジネス戦略をデータおよびテクノロジーの可能性への見識のある組織は、最も有利なポジションにあるといえるだろう。

【調査概要】
調査対象:広告主、マーケター、出版社、技術開発者、MKT Service Provider(主に北米拠点)
調査方法:電話、オンライン、対面
調査期間:2014年8~12月
有効回答:50件以上
調査主体:Winterberry Group
協力:Interactive Advertising Bureau
後援:Turn 、LiveRamp、Signal

データテクノロジー用語

広告配信:オンライン広告の在庫と展開を統制し、適切なクリエイティブを適切なオーディエンスに提供できるよう管理する

分析:データを活用して顧客行動の適切な理解を推進するとともに、顧客オーディエンスをターゲットに絞ったメッセージの発信先となる実用的な集団にセグメント化する

属性:価値を評価し、望ましい成果を支援する個々の行動(または「イベント」)に割り当てる。通常、所定のメディアミックスの測定と最適化に関連している。

キャンペーン管理:マーケターが、マーケティングメッセージの計画、スケジュール、展開を行えるようにする。通常は複数のチャネルや顧客セグメントにわたる。

コンテンツ管理:コンテンツの制作、変更、公開を可能にする。

CRM/顧客データベース管理:各種分析やターゲットマーケティングのさまざまな用途のために、オーディエンスをセグメント化して保管できるよう顧客記録を整理する。

データマネジメントプラットフォーム(DMP):分散したデータの展開に向けて、集約、統合、準備する。これにはさまざまなチャネルおよび環境からの第一者、第二者、第三者のデータが含まれる。

データオンボーディング:従来型の構造化された顧客データセットを、主に匿名化された顧客記録をオンライン端末にマッチングさせ、オーディエンスセグメントを複数の宛先に割り振り、デジタルのデータセットに結び付ける。

データビジュアライゼーション:データセットを視覚的に説得力がある方法で提示し、他の方法では識別が困難なトレンドやインサイトを明らかにする。

DSP/SSP:広告主(需要側)と媒体(供給側)の取り組みをそれぞれ支援し、(「オーディエンス」の代理人として)資金の準備状態、需要、データに基づいて、事前に設定したビジネスルールに則り、デジタルメディアの購入と販売を管理する。

Eメール/ESP(Eメールサービスプロバイダー・ツール):ターゲットとなる顧客リストに送付するEメールのマーケティングメッセージの作成と展開を可能にする。通常、キャンペーンの効果測定とレポートもサポートする。

マーケティングリソース管理(MRM):標準化されたキャンペーンの展開を支援するため、マーケティング販促物(画像、メッセージ、オファーなど)の制作、収集、配布を行う。

モバイルマーケティングツール:モバイル端末でのオーディエンスエンゲージメントを支援する。これには、アプリやSMS環境へのターゲットメッセージの送付、ジオターゲティング(または「ビーコニング」)の実行、端末の独自IDの管理などの機能が含まれる。

リターゲティング:行動データに基づいたデジタルメディア購買を推進する。コンテンツはユーザーの過去の活動に基づき、推察されるユーザー意図にマッピングされ、購入を検討しているかもしれない品物を「思い出させる」ようにする。

ソーシャルメディアツール:ソーシャルメディア活動からオーディエンスのインサイトを集約する作業と、オーディエンスをプラットフォームにエンゲージする作業の両方を支援する。これにはリスニング、メディア購買の表示(CRMおよび「ネイティブ」広告を含む)、コンテンツ管理の各アプリケーションが含まれる。

タグマネジメント:所定のウェブサイトに関連しているかもしれないサードパーティーのタグを管理する。そしてこれらのタグの結果として得られたデータを収集、管理、統合、実行するが、その際の目標はデータ利用の合理化、サイトの機能の向上、より関連性のあるコンテンツの推進だ。

動画コンテンツ/マーケティングツール:動画マーケティングおよび関連するソリューション(プレロールおよびポストロールの動画広告の展開、閲覧者分析、実績レポートなど)を支援する。

ウェブ分析:ウェブサイトやオンライン資産上の活動を、ユニーク訪問者とクリック数を含めて追跡およびレポートする。データはオーディエンスのエンゲージメントおよび興味を理解する上で使用する。

ウェブサイトコンテンツ/パーソナライゼーション:ウェブサイト訪問者を認識し、場合によっては適切にキュレーションしたコンテンツ、オファー、メッセージを訪問者に提供しする。認識は、クッキー、タグ、登録/ログインを通じて行われる。

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MarkeZine(マーケジン)
2015/07/01 17:59 https://markezine.jp/article/detail/22607

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