オウンドメディア担当者が「自走」できるよう、育成も含めサポート
――ニーズはさまざまながら、皆さん、コンテンツマーケティングにランサーズさんの手を借りたいと。100件以上の支援を手がけた経験から、こんなメディア運営は成功・失敗するという「仕組み」は見えてきましたか?
幸村 コンテンツマーケティングを成功に導くのは「仕組み」ではないと考えています。ご質問への答えになっているかわかりませんが、良質なコンテンツを一定量制作するのはコストがかかりますし、コンテンツマーケティングをはじめて数ヶ月は、広告等と比較すると、コンバージョンといった成果が見えにくいから、KPIも設定しにくい。それでも、コンテンツマーケティングは継続することが重要です。つまり、社内の決裁をとるのが難しいわけですね。
そんな中、成功している企業さんの共通点は、「コンテンツマーケティングへの理解がある」ということだと思います。広告予算をコンテンツ制作に振り分けるなどして予算を確保し、コンテンツは資産であると考え、質、量、スピード感を持って蓄積していく。それを継続した企業とそうでない企業では、1~2年後に大きな差がついていることでしょう。仕組みというよりは、ビジネスとしてコンテンツマーケティングへの投資をジャッジできるかどうかではないでしょうか。
とはいえ当社のクライアントも、はじめから絶対的な確信を持って取り組まれるわけではなく、「まず始めてみよう」という姿勢でご相談くださいます。それに対し、これまで100件以上の支援を手がけた経験から、その企業さんとメディアのフェーズに応じたアドバイスができるのが当社の強みです。
フェーズというのは、立ち上げ当初はPV、次にエンゲージメントを重視、その後は新規会員獲得やリピート化といった具合ですね。そのフェーズに応じて、コンテンツの内容や種類を変えていくことをサポートしています。
ランサーズ株式会社 カテゴリーディレクション部 狩野真宏さん
Web制作会社のメンバーズにて、大規模Webサイト構築のプロジェクトマネジメントや
自社サービス立ち上げ、Webマーケティング戦略立案に携わる。2015年より現職。
――「ランサーズ for Business コンテンツマーケティング提供プラン」は、ノウハウの提供というよりも、クライアントに深く入り込み、一緒に運営していくものということでしょうか。
狩野 私もディレクターの一人ですが、とくにメディアの立ち上げに携わり、メディア運営者とフリーランサーがスムーズにお仕事をしていただくための体制を整えるのが仕事です。
具体的例をあげると、たとえばルール作りです。ランサーズをご利用いただいて、メディア運営者の方が直接フリーランサーの方に仕事を依頼するスタイルの場合、月10本程度ならともかく、100本にもなると、クオリティにばらつきが出るなど、当初はなかなかスムーズにはいきません。それをディレクターが間に入り、最適なチームを組み、検品ルールを設けるなど制作フローを整えることで、プロジェクトが円滑に進行するサポートをします。
幸村 当社では今、ディレクターの採用に非常に力を入れています。現在、20名ほどいますが、ウェブ制作会社で同職を担当したり、マスメディアで記者として活躍していた者を社員として採用しています。そうした実力あるメンバーに、ランサーズがこれまでのプロジェクトで蓄積してきた、フリーランサーたちの実力や、進行管理、コミュニケーションの方法などを学ばせています。
とくに事業会社のメディア運営担当者は、それまで経験がなく、ディレクションに不慣れなことも少なくありません。そこで、経験豊富であり、かつ、ランサーズのフリーランサーたちを熟知した当社のディレクターが、ランサーズのフレームワークやノウハウをベースにリードしながら、サポートしていくわけです。本来であれば、メディア運営を担当される方が、クラウドソーシングをうまく活用して、円滑したメディア運営ができるよう、「自走」していただくべきだと考えていますので、その育成も含めてのサポートです。