BtoBやキュレーションなど、100件超のコンテンツマーケティングを支えるランサーズ
コンテンツマーケティングが、検討すべきマーケティング施策の1つに加わって数年。先進企業の成功事例、ノウハウやKPIなどの情報はチラホラ出てきているが、運営の裏側が明らかになることはあまりない。つまり、チーム編成、記事1本あたりのコスト、コンテンツ更新頻度、そして細かいが最重要課題とも言える、コンテンツの書き手をどうやって確保しているかといったことだ。
MarkeZine読者であれば、クラウドソーシングの活用が浮かぶかもしれない。実際、日本最大級の規模を誇るランサーズでは、すでに100件を超えるメディア支援の実績を誇る。その圧倒的な数のオファーは、豊富なクリエイターのデータベースに加え、「ランサーズ for Business コンテンツマーケティング提供プラン」を提供しているからだ。
「ランサーズ for Business コンテンツマーケティング提供プラン」は、ランサーズの社員がディレクターとして、発注企業とフリーランサーたちの間に入るというシンプルなものだが、その依頼は後を絶たないと言う。それもそのはず、数十万人のフリーランサーから誰を選び、どう依頼すればいいのか、適正なギャランティーは、進行管理はどうするなど、クラウドソーシングの活用はプロジェクトが大きくなるほど難しい。
クラウドソーシングを活用し、コンテンツマーケティングやメディア運営を成功に導くには。ランサーズのディレクションサービスを統括する幸村潮菜さん、そして同サービスでディレクターの一人として活躍する狩野真宏さんに、お話をうかがった。
――まずは、昨今のコンテンツマーケティングへのニーズについて、御社へのオファー状況を踏まえて教えてください。
幸村 以前はどちらかと言うと、「コンテンツマーケティング=コンテンツSEO」という発想で、大量にコンテンツを制作したいというニーズが多かったです。現在でも、そうしたオファーはいただくのですが、それに加えて最近は、メディア運営という観点からのお問い合わせが増えています。
メディア運営にも2つのタイプがあり、1つは事業会社でオウンドメディア運営を担当する方から、リード獲得を目的としたユーザー目線のお役立ちコンテンツや、事例記事の依頼をいただいています。
事例を1つあげると、BtoBで会計サービスを提供される企業さんからオファーをいただき、まずはコンテンツの量を増やすことで、PVをそれまでの3倍にすることに成功しました。会計は専門分野ですから、書き手を探すだけでもひと手間だと思いますが、ランサーズで探すと数百名は見つかります。その成果を評価していただいて、現在では事例の取材記事も手がけています。
ランサーズ株式会社 ビジネス開発部 部長 幸村潮菜さん
楽天でEC事業のセールス、マーケティング職などを経験し、ロックオン、イノーバを経て、2015年より現職。慶應ビジネススクール卒(マーケティング専攻)。
もう1つは、キュレーションメディアを含めた、本業としてメディアを運営する企業さん、これから立ち上げを検討されている企業さんからもオファーをいただくことが多いです。
今のように、キュレーションメディアが続々と立ち上がるなかでは、「垂直立ち上げ」が競争要因の一つになりますよね。しかしながら、多くの企業さんが、スタート時には編集スキルやライターリソースをお持ちではありません。そういったプロフェッショナルは雇用そのものに時間がかかりますし、社内から抜擢しても育成に時間を要します。それでも垂直立ち上げを実現するために、「品質の良いコンテンツを大量に生産できる体制を作りたい」とランサーズにオファーをいただくわけです。
皆さんご存じの大手メディアさんからも、コンテンツの数を増やしたいけれど、自社で抱えているリソースだけではまかなえないからランサーズで、とのご相談をいただくこともあります。