Googleは、国内で2015年上半期に話題になったYouTubeの動画広告を分類し、大きく4つのジャンルに分けて発表した。
1.視聴者間やウェブメディアでの共有を促進させる動画広告
再生回数が伸びる動画広告の多くは、YouTubeだけの視聴ではなく、ソーシャルメディア、動画キュレーションサイトなどのウェブメディアで共有されることにより、話題性が高まる。この「視聴者による共有」を創出する上で大切なポイントとして、同社は以下の3つのポイントを挙げている。
・「やってみた」「踊ってみた」といった「動画フォーマット」
YouTubeでは、なかなか日常生活ではありえない斬新なチャレンジや、大人数で1つのテーマに挑戦する様子を撮影した「やってみた」「踊ってみた」という動画フォーマットが、視聴者の支持を得ている。
・話題性を作る「キャスティング」
人気のタレントやアーティストを起用したプロモーションはもちろん、動物やペット、アニメ・ゲーム系に関連したタレント、キャラクターも、YouTubeの視聴者から大きな支持を得ている。また、動画のストーリーに関連性の高い出演者を起用するなど、キャスティングに工夫を凝らすと視聴者の興味を得られやすい。
・言語にとらわれないコンテンツ作り
映像を見るだけでストーリーが理解できる演出や、ストーリーを理解するにあたって言語の障壁が低いコンテンツは、日本国内の視聴者に向けた動画であっても、海外で話題になる可能性を持っている。そして、海外で話題になった日本の動画は、国内でも再度注目される傾向があり、国内での視聴数の伸びにもつながる。
また、同社は上記の要素を満たしている動画広告として、トヨタのスポーツカーブランド、TOYOTA G’sの「G's Baseball Party」やNTTドコモの「3秒クッキング 爆速餃子」などを例に挙げた。
2.人気YouTuberとのコラボレーション
企業が人気YouTuberと制作した動画広告も再生回数を伸ばしている。広告主が広告動画の演出・企画を全て行うのではなく、クリエイターのコンテンツの特徴や感性に沿って制作された動画をクリエイター側のチャンネルに掲載する。その中で、商品・サービスのプロモーションを実施することにより、YouTube上に存在する多数のファンに効率良くリーチすることができる。
同社は事例として、はじめしゃちょーと資生堂がコラボレーションした「真夏の環境でも涼しくいられる方法」や丸亀製麺と木下ゆうかがコラボレーションした「【大食い】釜揚げうどん6人前&全種類【木下ゆうか】」などの動画広告を挙げている。
3.タイムリーで話題にあがるイベントや季節性を活用したストーリー展開
年間のイベントや、季節性と共に変化する視聴者の興味や需要を捉えたストーリーの動画広告も多く公開することで、日本のみならず、海外でも視聴されている動画広告もあった。
たとえば、auの「SYNC YELL ~ 上京した瞬間に、地元からのサプライズエール ~」やトヨタの「Loving Eyes - Toyota Safety Sense」はこの要素が反映されている。
4.テレビCMの有効活用
多くの企業が、通常のテレビCM用の素材に加えて長尺版をYouTubeに掲載し、プロモーションのプラットフォームとして活用している。中でも、話題性の高いテレビCMの効果はYouTubeにも及んだ。同社では、auのテレビCM「三太郎シリーズ」やコカ・コーラ「スプラッシュスライダーのすべて篇」といった動画広告を事例としている。
今回、2015年1月1日~6月10日に投稿された動画の中から、動画の人気(自然に発生した再生回数)とプロモーション(広告から発生した再生回数)に加え、動画広告としての斬新さ、ユニークさなどを考慮して選出している。なお、多くの視聴回数を獲得している動画でも、海外を含むYouTube動画広告出稿の有無、自然動画視聴の比率など、複数の要素によってリストに入っていないものもある。
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