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プロモーション成功の鍵は「ターゲットインサイトのシゲキ」にあり! 効果的なインサイトの探し方教えます

ターゲットインサイトは3Wで紐解く!

 ターゲットインサイトを抽出するには、メインターゲットの日常生活を「when(いつ)」、「where(どこで)」、「(with)whom(誰と)」の3Wを追求することがポイントです。

 ターゲットインサイトを抽出するに当たり、下準備として、メインターゲットの日常生活を構成する習慣行動及びそれに紐づく準習慣行動と、非習慣行動を“もれなく”チェックするために、日常生活の流れを時系列に当てはめていきます。

 多くの生活者が無意識のうちに、ある程度決まった流れに沿って過ごしている日常生活は、一日ごとにルーティン(起きては寝ての連続によって日常を形成)していることから、時系列のスタートを「起床」、ゴールを「就寝」と設定することができます。また、日常生活は大きくA.平日(月~金)とB.休日(土・日・祝)の2タイプに分けることができます。

 はじめにAとBの2タイプに分けて、メインターゲットの習慣行動及びそれに紐づく準習慣行動を、時系列(「起床」から「就寝」まで)に当てはめた後、非習慣行動を当てはめていくことで“もれなく”すべての日常生活をもれなく時系列に当てはめることができます。慣れてくれば、平日を「月」、「火」、「水」、「木」、「金」の5つに、休日を「土」、「日」の2つに、計7タイプに分けることができます。すると些細な行動の違いから、平日というくくりでは見えなかった面白いインサイトを抽出することができるかもしれません。もっと欲をだして、季節ごとに、月ごと、週ごとに、月曜から日曜までの日常生活を洗い出すことができれば完璧です。

日常生活を細かく見ていきましょう
日常生活を細かく見ていきましょう

「出勤前に自宅で妻とコーヒーを飲む夫」のインサイトとは?

 次に、時系列に当てはめた日常生活から仮説のインサイトを抽出するステップです。ここから3Wを活用していきます。

「when(いつ)」の追究フェーズ

 まずは時系列に当てはめた日常生活を「when(いつ)」を追究していきます。「when(いつ)」の追究フェーズでは、下準備で洗い出した「起床」から「就寝」までの日常生活を構成する習慣行動及びそれに紐づく準習慣行動と、非習慣行動に対して「なぜ“そのタイミング”でその行動をとったのか」の仮説を立てていきます。

 例えば、メインターゲットが“出勤前”にコーヒーを飲む行動をとっていた場合、なぜメインターゲットは出勤前にコーヒーを飲むのかについて追究する必要があります。目覚めが悪いので強制的にカフェインで目を覚まそうとしているのかもしれませんし、コーヒーが飲料の中で一番好きだから朝一番でコーヒーを飲みたかったのかもしれません。

 もし、目を覚ますためにコーヒーを飲んでいると仮定すると、「出勤前からシャキッと目を覚ましたい」や「仕事前は気持ちを落ち着かせたい、リフレッシュしたい」等の仮説インサイトを抽出することができます。こういった行動を起こすキッカケとなり得るインサイトは追求フェーズですべて洗い出します。

「where(どこで)」の追究フェーズ

 次に、時系列に当てはめた日常生活を「where(どこで)」で紐解いていきます。「where(どこで)」の追究フェーズでは、「when(いつ)」の追求に紐づけて、「なぜそのタイミングに“その場所”でその行動をとったのか」の仮説を立てていきます。

 例えば、メインターゲットが出勤前に“自宅”でコーヒーを飲む行動をとっていた場合、なぜメインターゲットは出勤前に自宅でコーヒーを飲むのかについて追究していきます。自宅で入れるコーヒーがどこで飲むコーヒーよりもおいしいのかもしれませんし、好きなコーヒーを好きな分だけ飲みたいかもしれません。

 もし、自宅で入れるコーヒーがどこで飲むコーヒーよりもおいしいと思っていると仮定すると、「自分好みのコーヒーが飲みたい」や「コーヒーの淹れ方にはこだわりたい」等の仮説インサイトを抽出することができます。

 「when(いつ)」に紐づく「where(どこで)」という切り口でインサイトを追究するだけで、「when(いつ)」の追究フェーズでは抽出できなかった仮説ターゲットインサイトをもれなく抽出することができるのです。

「(with)whom(誰と)」の追究フェーズ

 最後に、時系列に当てはめた日常生活を「(with)whom(誰と)」で紐解いていきます。「(with)whom(誰と)」の追究フェーズでは、「where(どこで)」の追求に紐づけて、「なぜそのタイミングにその場所で“その人”とその行動をとったのか」の仮説を立てていきます。

 例えば、メインターゲットが出勤前に自宅でコーヒーを飲む行動を“奥様”ととっていた場合、なぜメインターゲットは出勤前に自宅で奥様とコーヒーを飲むのかについて追究していきます。朝起きたら奥様が朝食と一緒にコーヒーを用意してくれていたのかもしれませんし、大好きな奥様とコーヒーを飲みながらコミュニケーションをとりたかったのかもしれません。

 もし、朝起きたら奥様が朝食と一緒にコーヒーを用意してくれていると仮定すると、「自分でコーヒーをいれるのは面倒臭いので、家では自分じゃない他の誰かにコーヒーを淹れてもらいたい」等の仮説インサイトを抽出することができます。

 「where(どこで)」に紐づく「(with)whom(誰と)」という切り口でインサイトを追究することで、「where(どこで)」の追究フェーズでは抽出できなかった仮説ターゲットインサイトを抽出することができます。

整理すると、こういうことです
整理すると、こういうことです

最初は「みんな」でインサイトを「もれなくチェック」

 「when(いつ)」から「where(どこで)」へ、「where(どこで)」から「where(どこで)」へ追究フェーズをブレイクダウンしていくことで、抽出される仮説インサイトの具体性が増していきます。どのフェーズで抽出したインサイトが重要になってくるかはケースバイケースです。プロモーションゴールやターゲットイメージによって求められるインサイトが異なってくるので何が“キー”となるインサイトかを都度見直していく必要があります。

 最初のうちは“何がキーインサイトになり得るか?”という視点でインサイト抽出に取り組むのではなく、“どんなインサイトであれ、まずは可能な限りインサイトを抽出してみよう”というスタンスで、一人よりも複数人で「もれなくチェック!ターゲットインサイト時系列抽出法」に取り組むことをお勧めします。

 抽出したインサイトが多ければ多いほどターゲットへのアプローチ手段を持つことができ、皆で抽出することで、自分一人ではたどり着けなかった面白いインサイト、アイディアのヒントを発見することができます。

 ターゲットインサイトを抽出する方法に関しては、ここで説明したもの以外にもたくさん素晴らしい抽出方法がある(はず)です。色々試したうえで自分の考え方に一番マッチする方法をご活用ください!

 出典元:D2Cスマイル

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D2Cスマイル編集部(ディーツーシー スマイル ヘンシュウブ)

 株式会社D2Cが運営する、デジタルマーケティングの総合オピニオンサイトです。D2Cの多岐に渡る事業担当者の知見を元に情報発信を行っています。D2Cスマイルはこちら

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2015/08/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/22921

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