Star動画とノベルティグッズの共通点
Star動画を制作する際には、この「ネタ提供」という観点を忘れてはいけません。我々の調査では、コミュニケーションのネタとして機能しないものは拡散しない、ということが明らかになっています。
マーケティング施策として動画を制作するとなると、どうしてもあれも伝えたい、これも伝えたい、と商材の情報を詰め込みがちです。しかし、商材の情報が「コミュニケーションのネタ」としての機能を阻害する事があっては、そもそも「拡散」は起きないのです。
よって、Star動画は商材の情報を細かく伝える事ではなく、コミュニケーションの役に立つコンテンツを提供することにフォーカスし、ブランドに対する好感度や、ブランドメッセージに対する共感度をあげることを主軸におくべき施策と言えます。
Star動画に挑戦する際には、動画に盛り込みたいメッセージを絞り込む作業が必要となります。当然この過程で、具体的な機能の訴求を減らし、視聴者の商材に対する詳しい理解はある程度あきらめざるを得なくなります。
Star動画制作に当たってのマーケターの一番の役割は、ステークホルダーの「商品宣伝をもっと盛り込んでくれ」という要求に対し、Star動画の意義と位置づけを説明し、「コミュニケーションのネタ」としての機能を守ることです。
Star動画を使ったマーケティング施策を例えて表現するならば、「コミュニケーションのネタを無料でプレゼントするキャンペーン」と言えます。視聴者が友人とコミュニケーションをとる際のネタとして機能するコンテンツを制作し、それをネットを通じて無償配布する。そしてブランドが伝えたい世界観、メッセージ、商材に関する情報を邪魔にならない程度に散りばめる。
もっと平たく言えば、貰い手にとって役立つグッズにブランドマークを入れて配るノベルティグッズの配布にも似ているかもしれません。ノベルティグッズには、メモ帳やカレンダー、ペンと言ったオーソドックスなものから、最近は企業ロゴのステッカーやTシャツ等もあり、特に有名IT企業のロゴをPCに貼っている人などは見かけることが増えてきました。
これは旅行バッグに各地のステッカーを貼る文化に似て、おしゃれだという風潮がシリコンバレーのIT関係者の間から出てきたものだそうです。この文化があるが故に、ベンチャー企業のステッカーは人気のあるノベルティグッズとなっています(ベンチャー企業であるViibarでも人気グッズです)。
Star動画も、ノベルティグッズ同様に人々が注目するモノ(コミュニケーションのネタ)を取り扱い、おしゃれにデザインする(ゴテゴテの宣伝ではなく、コンテンツとしての価値を重視する)必要があります。誰も欲しがらないノベルティグッズは、作っても意味が無いのです。
今回は、Star動画を生み出すための大前提となる、シェアが起きるメカニズムについてご説明しました。次回は、引き続きStar動画を作るための工夫について更に深ぼって解説していきます。
