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「あのキャンペーン」の担当者に直撃!

海外旅客数 前年比164%を達成! 沖縄県が仕掛けた「外国人視点」にこだわった動画コンテンツ

台本がない=自分の言葉で語れるキャストが必要

――動画に登場しているキャストの方々は、インスタグラマーやスキューバダイバー、ダンサーなど、皆さんユニークなバックグラウンドをお持ちです。キャストはどのようにして選定されたのですか

山城氏:先ほど申し上げたように、コンテンツは外国人目線を重視しています。つまり、キャスト自身が沖縄の観光資源について語れる必要がある。そこで、ふさわしいバックグランド(専門的職業)を持った、欧米豪露出身の男女7人を起用しました。キャスト選びに当たっては、沖縄が持っている魅力を余すことなく伝えられるよう、まずは沖縄県側で「食、芸能、空手、景観、泡盛、音楽」等のキーワードを選び、マッチングできるキャストを選ぶという流れでした。

動画に登場するキャストの面々

――沖縄の魅力を多角的に伝えようとしたからこそ、様々なキャストを登場させることができたのですね。動画を公開してから、印象的だった反応があれば教えてください

山城氏:欧米豪露の旅行会社や関係機関から「見たよ! かっこいいね!」等の言葉を頂きました。今まで行政が発信した広告とは違う、共感頂けている反響が多いことには驚きました。また、WEB上での広がりも実感しました。例えば、トリップアドバイザーが発表したトラベラーズチョイスアワードの「人気急上昇中の世界の観光地トップ10」部門で沖縄が6位になりました。日本からは沖縄県が唯一のランクインだったんですよ。

 加えて、対外的インバウンドの施策でありながら、インナー(沖縄県民)にも寄与したと思います。動画では沖縄県出身の俳優も起用したり、沖縄県民との触れ合いのシーンも大切にしました。その結果、県民の自己価値再認識やインバウンド意識醸成などが見られています。沖縄県民によるSNSでのコメントで「自分の知ってる沖縄とは違う魅力が見えて新鮮!」といった投稿も多くありました。

目指すは自走する施策、これからもチャレンジを続けたい

――キャンペーンを行う際にはどのようなKPIを設定されていたのでしょうか?

山城氏:基本的なKPIは認知度向上と沖縄県の掲げるブランドイメージの理解度の向上です。数値としては日本の一般的な観光PRの動画再生数は10万~50万であるとの認識ですが、今回は140万回の動画再生数を目標としました。

 結果としては、動画再生数は190万回以上を達成することができました。実際の海外観光客数も2013年度を大幅に超える98万人以上を記録し、過去最高数になりました。

――素晴らしい結果ですね。コードアワード等の受賞もされています。これらによって、周囲からの反響や変化はありましたか?

山城氏:沖縄県が沖縄の観光ブランドを構築し発信する事に対して、評価頂き大変光栄に感じています。今回の事業を含め、沖縄県としてのブランディング情報発信の施策が間違っていなかったという自信につながりました。このような取組が、国内全体のインバウンド向上に繋がればと思います。

――最後に、施策を通しての気付きと、これから挑戦したいことをお聞かせください

山城氏:これまでグローバルキャンペーンを行うためには、多額の予算が必要だという認識を持っていました。ですが、コンテンツマーケテイングという視点で制作・マーケテイングをすること、単純に表現したいことを情報発信するだけではなく、ターゲットとの双方のコミュニケーションを重要視することで、限られた予算でグローバルキャンペーンが可能なのだと気付きました。

 また、行政が行う施策としては、自走化に繋がる事が重要です。コードアワードでの受賞のように、施策に対して第三者から評価を得たことで、本事業に対する沖縄県内での理解度を深めただけではなく、今後の施策の方向性としてもWEBやSNSを活用した情報発信をより重要視するようになると思います。今回の施策から、CtoCで広がるポジテイブサイクルを産み出すためにも、このような新しい取組を今後もチャレンジしていきたいと思います。

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/10/30 10:00 https://markezine.jp/article/detail/23263

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